11日、林芳正官房長官は記者会見にて、日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協)へのノーベル平和賞授賞式における田中熙巳代表委員の演説内容について、記者からの質問に答えた。
━━10日夜のノーベル平和賞授賞式の受賞演説で、日本被団協の田中代表委員は、「何十万という死者に対する補償は全くなく、日本政府は一貫して国家補償を拒み、放射線被害に限定した対策のみを今日まで続けています」と強調した。政府としてこの発言をどう受け止めるか?
「原爆被爆者については、原子爆弾被爆者に対する援護に関する法律の前文にある通り、原子爆弾の投下の結果として生じた放射能に起因する健康被害が他の戦争被害とは異なる特殊の被害であることに鑑み、高齢化が進行している被爆者に対する保健医療および福祉にわたる総合的な援護対策を講じている。他方、原爆によりお亡くなりになった方々については、戦災によりお亡くなりになった一般の方々と同様に、給付等は行っていないと承知をしている。さらなる詳細は厚生労働省に尋ねてほしい」
━━受賞演説で田中代表委員は「核兵器は一発たりとも持ってはならぬ」という原発被害者の願いと、核抑止論からの脱却を訴えた。政府は米国の核の傘に頼り核抑止の強化を繰り返し唱えているが、田中代表委員の声をどう受け止め、どう行動していくか? また、調整中とされている被団協メンバーと石破総理との面会は実現するのか?
「我が国は戦後一貫して平和国家としての道を歩んできた。核兵器のない世界に向けた国際社会の取り組みを主導することは、唯一の戦争被爆国である我が国の使命だ。同時に核ミサイル開発を進める北朝鮮をはじめ我が国が戦後最も厳しく複雑な安全保障環境に直面する中、核抑止を含む抑止が我が国の安全保障を確保していく上での基礎であると考えていることは変わりない。国民の生命財産を守り抜くため、我が国の安全保障にとって不可欠である米国の拡大抑止を確保しつつ、同時に核兵器のない世界という目標に向かって努力していくことは、決して矛盾するものではなく、ともに取り組んでいく。石破総理と被団協の方々との面会については、現時点ではタイミングを含め詳細は決まっていないが、今後しかるべく調整していきたい」
(ABEMA NEWS)
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