■子ども嫌い、苦手な人の背景に「1番多いのは、ネガティブな子ども時代の経験や環境」

母性神話に対する声
拡大する

 子ども嫌い、苦手な人の背景には「幼少期の親との関係」、「自分のライフスタイルの優先」、「社会が作り出した女性の理想像への反発心」、「子どもの予測不能な行動にストレス」、「周囲から聞く子どもに対する嫌なイメージ」、「親になることの不安や恐れ」などがあげられる。

 心理カウンセラーの小川のりこ氏は「1番多いのは、ネガティブな子ども時代の経験や環境だ」といい、「親との関係にネガティブな感情があると、子どもに対して否定的になってしまったり、嫌な経験が蘇ってしまうことがある。子どもは依存的で、甘えたり、泣いたり、怒ったり、自由にできるが、それを自分の幼少期の頃に何らかの原因で抑えつけざるを得なかったなどの経験があると、イライラが強く出てしまう」と説明。

 また、「日本は昔から、男性が外で働き、女性が家で子どもを育てて然るべきみたいな、役割分担が強かったと思う。だから、女性は子どもが好きであるべき、親は何よりも子どもを優先すべきという、社会が作り出したステレオタイプからの反発で子ども嫌いになることもある」と補足した。

 “母性神話”については、「背景に日本独自の歴史や文化があると思う。理想的な母親像、無償の愛、慈愛の象徴、良妻賢母っていう言葉もそう。そういう考え方が元々の母性神話を生み出したんだと思う」との考えを述べる。

 さらに、小川氏は自身の経験から「『出産したら変わる』という言葉は、赤ちゃんと楽しめた人が言える言葉。だから、子どもが苦手だと思う人が、それを聞いてもピンと来ない。変わる、変わらない部分は、出産すると女性ホルモンの変化で子どもを促すというのもある。多少は女性の気持ちの変化もあるが、育児中に“しんどい”、“嫌だ”っていう気持ちになったとしても全然おかしくない」とした。

■子どもがいてもいなくても共存できる社会は?
この記事の写真をみる(4枚)