3年間負け無しの“倒せる女子”が、ガードしたグローブを弾いてテンプルを撃ち抜く衝撃の左ハイキックKO。対戦相手のポニーテールが衝撃で派手に踊った壮絶決着に「音がすごかった」「格が違う」とファンも唖然。ショックで完全に心が折れた敗者の泣き顔に、格闘技では異例の「泣いている可愛そう」「泣かないで」といった同情の声も相次いだ。
12月15日後楽園ホールで開催された「RISE184」。宮﨑小雪(TRY HARD GYM)とタン・スアン・ユン(シンガポール)の対戦は2ラウンド終了間際、宮﨑が左ハイキックでタンをKOして完勝。海外勢をことごとく撃破し続け、2024年も負け無しの14連勝で記録を更新した。
ここ数年世界を見据えて海外選手との対戦を重ねてきた宮﨑。2024年最終戦はシンガポールからの刺客タンを迎えた。WBCムエタイ女子ミニフライ級ランキング1位の20歳、25戦のキャリアを誇る。
1ラウンド、互いからローを蹴り合う展開。宮﨑のミドルにタンもパンチの連打で対抗し気持ちの強さを見せる。三日月蹴りやカウンターでの切れ味は宮﨑に分があるが、スピードは、ほぼ互角でラウンドを終える。
2ラウンド、明らかに宮﨑のギアが上がった。一気にプレッシャーをかけ左の三日月蹴り、さらに左のインローでタンの動きを止める。ミドルキックをみせるタンに対して、宮﨑は単発に終わらず蹴りパンチとコンビネーションが冴える。
組みの展開で宮﨑がヒザを顔面に放つとタンは鼻から出血。後退する相手に左のインロー、前蹴りを見せてから左ハイを振り抜くと、タンは腰から崩れ落ちて座り込んだ。ハイのダメージに鼻血のダブルショックか…座ったままのタンはすでに半泣き状態。カウントを聞きながら体を起こすが、うつむいたまま。ここでゴングが打ち鳴らされた。
ABEMA解説の一馬が「心を折りましたね」と指摘したとおりハイ一発で完全に戦意喪失状態。ファンからも「凄い音がしたぞ」「心折れてる」の声、さらにコーナーに戻ったタンが涙を流す様子に「泣いちゃって可哀想」「かわいそうだ」など異例ともいえる同情の声が殺到した。
スローリプレイも衝撃的。宮﨑が左足を振り抜いた瞬間タンはグローブでしっかりガードするも、それを突き破るように左足はタンのテンプルに到達。その瞬間、タンのポニーテールが衝撃から派手に踊った。
これで2021年から3年間負け無しの14連勝となった宮﨑。前日会見でも語った通り「ハイキックはずっとお姉ちゃんと練習していた」と余裕のコメント。アトム級王者として国内敵なし状態という現状を踏まえて、世界タイトルの新設をアピールした。