人口の35%もの人々が生まれ育った母国を捨て、移民になる道を選ぶベネズエラ。同国を出て移民になったばかりの若者に密着し、見えてきたのは、厳しい貧困の実態だった。
12月14日、東野幸治とあのちゃんがMCを務める新番組『国境デスロード』#2が、ABEMAにて放送された。『国境デスロード』は、世界各国にある国境を命がけで越える人々の生活に密着する、ドキュメントバラエティ。本番組の企画・総合演出を手がけるのは、『不夜城はなぜ回る』(TBS系)で知られる、大前プジョルジョ健太ディレクター(以下、プジョルジョD)。プジョルジョDが各国の国境地帯に赴き、なぜ人々は危険を冒しながらも国境を越えなければいけないのか、その真実に体当たりで迫る番組だ。
今回、プジョルジョDが訪れたのは、ベネズエラとの国境に面するコロンビアの街・ククタ。番組の冒頭では、移民が急増しているベネズエラで、どのような問題が起こっているのかを取り上げた。ベネズエラのマドゥロ大統領といえば、反米路線を徹底する独裁者として知られ、経済難により国民の貧困が深刻化。ベネズエラから逃げ出した移民の数は、現在の人口の約35%にあたる770万人にも上る。そんななか、ベネズエラ政府は移民増加を止めるため、移民抑止策を実施。番組では「国民が海外に行かないように、パスポートの更新をしてくれない」「違法に行くしかない」と嘆く国民の声が紹介された。
さらに取材を進めていくと、「コロンビアの先にあるエクアドルを目指している」という9人家族に遭遇。しかしこの家族は、全員分の運賃を支払うことができず、バスに乗れなかったのだという。ベネズエラでは現在もハイパーインフレが進んでおり、1円で買えていたものが100万円払わないと買えないほど、深刻な状態。国民の75%が1日あたり1.9ドル(約285円)で生活する、南米屈指の貧困国なのだ。