野球振興と雇用創出、どちらも同時にできることを嶋さんは考え付きました。それは、ナイジェリアでグローブを製造する工房を作ること。嶋さんはグローブ製造を教えてくれる技術者を探し出し、アミールさんを日本で弟子入りさせました。

 そして、最初は日本の会社から規格外となった革をグローブ用に提供してもらい、2024年アフリカでグローブに使える革を見つけ出したといいます。

 佐藤眞那人さんは、ナイジェリアのグローブ工房と野球振興プロジェクトの現場責任者です。現状を聞きました。

現場責任者が明かす現状

【写真・画像】子どもたちの未来を拓く「野球グローブ」 ベンチャー社長の挑戦 3枚目
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「給料(月収)が1万5千円くらいなんですね、日本にすると。しょっちゅう停電したり。多分皆さん今日を生きるので必死だと思う。生きるのに必死な人がそんなグローブを買わないと思ったので値段をもっと落としていくしかないなって思ったときにやっぱり地元ローカルな(安い)革を見つけるのに急ぎました」(佐藤眞那人さん)

 今回のブース出展はプロジェクトを一人でも多くの人に知ってもらうためでした。この日、西武の選手も販売ブースを訪れました。ファンへのアピールはばっちりで、持参したグローブは完売しました。

 しかし、プロジェクト全体としては、まだ道のりは険しいようです。スタートから約2年。進捗を聞くと…

「15%くらいですかね。まだまだ本当にようやく一歩二歩出れたかなっていうくらいですね」(嶋さん)

 それでも大きな夢を持っています。

「2028年のロサンゼルスオリンピックに、ナイジェリア代表を初めて出場させる。そこで世界中のスカウトの方の目に触れる機会をまず提供していきたいなと。子どもたちに対してはあの選手みたいになりたいという目標を作りたいなというふうに思っています」(嶋さん)

 彼らの挑戦は、始まったばかりです。(ANNニュース)

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