■いま必要な支援は?

 ヤマグチさんにとって、いま必要な支援は何か。まずは、手続きのたび息子連れで外出する必要があるため、「役所手続きの簡素化・非対面化」を求める。また、必要な医療機器への補助はあるが、一部は自己負担で、補助金が振り込まれるまで1年かかるなどラグがあることから、「補助金制度の拡大・改善」も求める。そして、本格的な医療的ケアが必要になってから、多数の保育園に入所を断られた経験から「ケア児受け入れ保育の拡充」も望んでいる。

 介護や育児する人が一時的に休息できるようにする支援サービスとして、「レスパイトケア」と呼ばれるものが存在する。デイサービスや訪問看護などの在宅サービスや、ショートステイなどの施設サービス、病院が受け入れるレスパイト入院などがある。

 ヤマグチさんは「在宅レスパイトが全国的に広がってほしい」と願う。「障害福祉サービスは医療とは違い、全員が使いたい時に使えるわけではない。自治体の許可が必要だが、許可を出す人は実情がわからない。私たちが書面で大変さを伝えても、『子どもの体調が悪ければ、親が看病するのが当たり前だ』『同居家族がいるならできるはず』などと返事が来る」。

 とは言っても、「レスパイトケアの施設が足りず、息子も3~4カ所断られて、ようやく見つけた」といい、「施設に行くのではなく、家に看護師が来て長時間見てくれる在宅レスパイトをお願いしたい。ただ、許可を出す自治体窓口は、私たちの説明をクレーム扱いすることもある。デジタル技術などで、ケアの量を数値化して、客観的な評価でケアが行き届くようになってほしい」と願う。

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