伝家の宝刀、リーチの発声は聞かれなかった。しかし持ち前の破壊力、突破力は戻って来たはずだ。プロ麻雀リーグ「大和証券Mリーグ2024-25」12月26日の第2試合はKONAMI麻雀格闘倶楽部・佐々木寿人(連盟)がトップ目のKADOKAWAサクラナイツ・渋川難波(協会)から親満貫を直撃する劇的な展開で、逆転トップを獲得した。
第1試合では高宮まり(連盟)が最終局に3着から2着に上がる満貫を決めプラス。良い流れを引き継いで“魔王”が戦う当試合は起家からU-NEXT Pirates・鈴木優(最高位戦)、セガサミーフェニックス・醍醐大(最高位戦)、佐々木、渋川の並びでスタートした。
序盤から渋川に3局連続の満貫をアガられ、佐々木は3着目で南入。南1局1本場は鈴木優の先制リーチを受け、佐々木も四・七万待ちの平和・赤2をテンパイした。リーチがセオリーだが、四万が通っているためダマテンを選択。すぐさま渋川が四万を切り、3900点(+300点)のアガリとなった。「寿人さん良い!」「ノータイムでの選択つよい」「寿人いい感じ」とファンも久々の勝利に向けて、声援に熱がこもる。
佐々木の二の矢が決まったのは南3局。7巡目に赤2枚を持ったタンヤオのイーシャンテン。鳴けば5800点のテンパイができる、上家から打たれた三万を佐々木は当然のスルー。その直後に三・六万待ちでタンヤオ・平和・赤2の親満貫をテンパイすると、間髪入れずにダマテンを選択した。「『渋川君、打ってくれないかな』という作戦」と後に語った決断がこの日の白眉。受け気味にターツを外しにかかった渋川から三万が打たれ、1万2000点の直撃が決まりトップ目へ浮上した。
最後に試合はもう一山が残っていた。南4局2本場、トップ目の佐々木は6・9筒待ちの役なしをテンパイしたが、9筒は第1打で捨てているためリーチはかけにくい。ダマテンのままツモって試合終了を目指すが、親の渋川からリーチがかかってしまった。どこまで押せるのか、緊迫した勝負の行方は、渋川に一度もツモらせないまま佐々木が6筒をツモ。ツモ・赤の2700点(+600点、供託2000点)が決まり、トップが確定。ツモった6筒を手牌にぶつけたカチャン!という小気味良い音が、静寂のスタジオに響き渡った。
11月11日以来のトップ。いつも以上に上機嫌で佐々木は「お久しぶりです!」と勝利者インタビューを受けた。「(トップが取れない時期は)内容が非常に良くなかったので、今日のトップは非常にうれしく思います!」と笑顔で喜びを語り、大逆転の南3局については「僕がダマテンにすると『ズルいじゃないか』とよくいわれる。テンパイしたらリーチをするから。でも今日は2局、効きましたね!」と大満足。最後は「2024年も終わりまして最後をトップで締め括れたので、非常に良い年を迎えられますし、皆さんにとっても良いプレゼントになったと思います」とファンへ胸を張った。
【第2試合結果】
1着 KONAMI麻雀格闘倶楽部・佐々木寿人(連盟)4万点/+60.0
2着 KADOKAWAサクラナイツ・渋川難波(協会)3万800点/+10.8
3着 セガサミーフェニックス・醍醐大(最高位戦)1万7600点/▲22.4
4着 U-NEXT Pirates・鈴木優(最高位戦)1万1600点/▲48.4
【12月26日終了時点での成績】
1位 赤坂ドリブンズ +672.2(52/96)
2位 セガサミーフェニックス +463.8(52/96)
3位 U-NEXT Pirates +409.1(52/96)
4位 KONAMI麻雀格闘倶楽部 +223.1(54/96)
5位 TEAM雷電 ▲10.8(52/96)
6位 KADOKAWAサクラナイツ ▲85.6(54/96)
7位 渋谷ABEMAS ▲338.7(52/96)
8位 EX風林火山 ▲472.7(52/96)
9位 BEAST X ▲880.4(52/96)
※連盟=日本プロ麻雀連盟、最高位戦=最高位戦日本プロ麻雀協会、協会=日本プロ麻雀協会
◆Mリーグ 2018年に全7チームで発足し、2019-20シーズンから全8チーム、2023-24シーズンからは全9チームに。各チーム、男女混成の4人で構成されレギュラーシーズン各96試合(全216試合)を戦い、上位6チームがセミファイナルシリーズに進出。各チーム20試合(全30試合)を戦い、さらに上位4チームがファイナルシリーズ(16試合)に進み優勝を争う。優勝賞金は5000万円。
(ABEMA/麻雀チャンネルより)