娘の20歳の誕生日をお祝い…取り戻していく親子の時間
ライブのおよそ1カ月前。高橋は大阪へと向かっていた。娘の20歳の誕生日を祝うためだ。
――どこで待ち合わせてるんですか?
高橋:ヨドバシカメラの横断歩道の所。最後に大阪で、ちょうど10年前だ。3月23日に、そこで別れたのが最後だったの。だから俺にとってトラウマの場所だね。決して気持ちのいい場所じゃない。ソワソワしてきた。
ロックシンガーの威勢はどこへやら。娘のレノンさんが約束の時間を過ぎても現れないことで、高橋は焦ってるように見えた。
その後、道に迷ったレノンさんが到着。
高橋:待ち合わせ場所がこの横断歩道ってなんでかわかる?この辺りで待ち合わせたか覚えてる?
レノンさん:知らない。
高橋:知らないんだ、覚えてない?じゃあいいや。最後にここで会ったんだよ。俺のトラウマの場所なんだ。最悪な所だけど、でも、ここで待ち合わせしたら、良く変わるかなって思ったんだよ。
何だかまだぎこちない親子だが、今日はレノンさんの20歳の誕生日。一緒にプレゼントを買い、ディナーでお祝いをした。
レノンさんから見た高橋の姿は…
レノンさん:ステージに立つ姿は小さい頃からキラキラして見えていました。ステージの観客席じゃなくて脇から見るのが一番好きでした。
高橋:小さい頃は、俺がギター弾き出すと手を叩いてた。
――ちなみにレノンさんは「ロード」は歌えるんですか?
レノンさん:え?「ロード」歌える?どういうことですか?歌詞とか見ずにですか?
高橋:ちょっと逆に聞きたい。歌ったことないでしょ?
レノンさん:1回だけある。
高橋:あるんだ!
レノンさん:友達に(言われて)。カラオケ一緒に行った時に。「しかたねぇな」って(笑)。
――それはみんな知ってて言ってる?
レノンさん:知ってて。いじりみたいな(笑)。
2人は、会えなかった時間を取り戻すかのように、親子のコミュニケーションを交わしていった。
――父親に会いたいっていうのはずっと思ってたんですか?
レノンさん:そうですね。そもそも10年という長い期間なので、どっちかっていうと好奇心が強い。寂しいとか会いたいって言うよりは、そもそもどんな人だったかっていうのが、記憶が自分は曖昧な年齢だったので。
高橋:ライブやるからこれたら来て。
レノンさん:行く行く。まあでも行ける友達探すわ(笑)。
高橋:無理しなくていいけど。
明るい笑顔を見せ、父親に軽口も叩けるレノンさんだが、離婚に対して寂しい思いはあったのか。
――子ども心に家族がバラバラになるのって寂しかったですか?覚えてないですか?
レノンさん:う〜ん。でも小さい頃から色々複雑だったので、あんまり…。今考えてみたら、人間って一人一人育ち方も違うし環境も違うし、考え方も違うから。それぞれの行動にそれぞれの理由があるから、あんまり気にしてない。ただママもパパもいつかは自分が幸せな所にたどり着いてくれればいいなと思ってます。それに自分ができることはしたいけど、手に負えない所は仕方ないかなって。ノータッチで。
この日、高橋とレノンさんは夜遅くまで親子の時間を過ごしていた。
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