■ダンスも音楽と同じ「組み合わせ」に光明
音楽はメロディー、コード進行など、長年に渡り大量の楽曲が作られてきたこともあり、新たなパターンなどはほぼ出てこないのではと思えるほど表現は積み重ねられている。ダンスにおいても両手、両足など全身を使いながら表現はするものの、今まで全く誰もしたことがない動きというのを新たに生むのは難しく、新しさを認定するのも困難だ。TSUGU氏も「全ての音楽、ダンスに適応させるのはすごく難しい」とする中で、振り付けの組み合わせに対して著作権を認めてもらう可能性を探っている。具体的には動画から3Dのモーションを推定・抽出してデータ化し分類、著作権利用を検知するというものだ。これができれば、ゲームなどにデータを販売することもでき、振り付けの著作権管理も可能になるという。「振り付けの基本的なステップを、ドレミファソラシドの音階に例えるようなもの。音楽は作詞家の方たちは言語の組み合わせができる。それと同じ」と主張した。
福井氏もこの組み合わせには、独創性を認めている。「1個1個のステップもパーツ。たいていはありふれているが、組み合わせによって独創性が生まれてくるのは、音の組み合わせによって音楽に独創性が生まれるのと全く一緒。組み合わせ全体で著作物という風に認められていくのは、すごく健全な考え方だ」と賛同した。
■生成AIによる創作物への懸念は
