■ひろゆき氏「どこからを人間とみなすかは誰かが決めなければいけないこと」

テキサス州の中絶
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 中絶に関しては「Pro-Life(プロライフ)」と「Pro-Choice(プロチョイス)」という考え方がある。前者は胎児の生命を尊重し人工妊娠中絶に反対、規制を主張するもの。後者は妊娠した女性の選択の権利を尊重し、中絶を一定範囲内で許容すべきと主張するものだ。2ちゃんねる創設者のひろゆき氏は「日本は妊娠から22週以降は中絶を禁止しているので、要は禁止の国。ただし、どこからを人間とみなすかという基準は、僕は自由でいいと思う。アメリカでも医療技術が進んでいる州なら18週以降なら生きられるのだから、それ以降はダメにするかもしれない。そこは誰かが決めなければいけないこと」と、日本とアメリカを比較しながら述べた。その上で「世界では、反対派が多数派になりつつある。女性の権利をある程度制限した上で子どもが大事だというイスラム教徒が増えているし、アメリカでも多数派になるかもしれない。世界を把握する上では、ポールさん的な考え方が増えている世の中だという理解は必要」と指摘した。

 その上でポール氏は、中絶を担当する医師たちに向けて、素直な気持ちをぶつけている。「医師の役割の問題だ。医師が死刑執行人になってもいいのか。本来命を救う医師が誰かを殺して、どうやって信頼できるのか。それをやらざるを得ない場合があったとしても、それは医師がやるべきではない」。これには、実際に現場に立つ佐久間氏も、複雑な胸中を明かした。「本当に難しい。おっしゃられることは、ずっと考えてやっているが、やはり綺麗事ばかり言っているわけにもいかない。いろいろな事情があるから、その人が中絶しなきゃいけない事象に当たってしまい、そこを動かしてあげられるのは僕らだけ。本当に世界の流れとしては、ちょっと逆に戻りつつあると感じている。(子どもを殺している感覚は)もう抱えていかなければいけないもの。それでもきっちり向き合わないといけない」と、発信を続ける理由を語った。

「ちゃんとした医師が中絶できなくなるのは危険」
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