日本全国を8つのブロックに分けた団体戦で行われる「ABEMA地域対抗戦 inspired by 羽生善治 2025」の監督会議が1月11日に放送され、関東Aの羽生善治監督(54)は、木村一基九段(51)、佐々木勇気八段(30)、三枚堂達也七段(31)、黒沢怜生六段(32)という4人を出場登録棋士に選んだ。「前回もすごくいいチーム、メンバーで雰囲気もよかったですし、同じ形でやることももちろん考えたのですけども、この地域出身の人がたくさんいるというところもあり、昨年出てもらおうか迷った人に今回、お願いすることにしました」と三枚堂七段、黒沢六段の起用について説明。日本将棋連盟100周年をきっかけとした今大会を、2年目さらに盛り上げる。
昨年の大会では、監督である羽生九段が自ら予選で4連勝2回を含む9勝を挙げるという大活躍。チームは予選Aリーグを2位で通過することに成功した。本戦では初戦で優勝候補の大本命、中部と対戦し、スコア1-5で敗退。羽生九段も最後の砦として登場、絶対的エースである藤井聡太竜王・名人(王位、王座、棋王、王将、棋聖、22)に敗れ、奇跡の大逆転こそならなかったが、それでも大会を大いに盛り上げた。将棋による地域活性を掲げた連盟会長としても、いきなり自ら率いるチームが早々に姿を消すわけにはいかなかっただけに、一定の成果は得られたといった第1回大会だったことだろう。
そして第2回。出場登録棋士は2人残留、2人入れ替えた。「木村さんは、もちろん棋士としての実績もありますし、あとフィッシャーでの強さも非常に定評があります。佐々木さんも同じく一般の棋戦でも非常に活躍もしていますし、フィッシャールールにかける意気込み、非常に思いも強くて熱い棋士」と、百戦錬磨のベテランと、竜王戦で藤井竜王・名人を苦しめた勢い、それぞれ高く評価した。
新たに加えた2人は、昨年も候補に入れていたという。「三枚堂さんは、昨年お願いしようかだいぶ悩んだというところがありました。ABEMAトーナメントでも、非常に対局している回数も多いので、このルールに非常に慣れている。黒沢さんも若手で非常に強い棋士。あとチーム全体の構想を考えた時に、振り飛車の人も入っていた方が、バランス的にいいのではないか」と説明した。
今大会からは監督を含めた棋士5人が全て対局をすることになり、よりチームの総合力が問われる戦いにもなった。昨年は「羽生無双」に胸を踊らせたファンも多かったことだろうが、今年は誰をどの順番で対局させるかという、まさに監督としての手腕、指し手ではない“羽生マジック”が見られるかもしれない。
◆ABEMA地域対抗戦 inspired by 羽生善治 全国を8ブロックに分けた「地域チーム」によって競う団体戦。試合は監督と出場登録棋士4人の計5人が参加。全員が1局ずつ指す「ステージ1」と、ステージ1で勝った棋士が負けるまで指し続ける「ステージ2」に分かれ、5人を先に倒した方が勝利チームとなる。対局は持ち時間5分、1手指すごとに5秒加算のフィッシャールール。大会は2つの予選リーグに4チームずつ分かれ、変則トーナメントで2勝すると本戦進出。ベスト4となる本戦は通常のトーナメント戦。
(ABEMA/将棋チャンネルより)




