■月着陸、成功すれば民間企業では2社目
東京大学・公共政策大学院の教授を務める鈴木一人氏は、著書に「宇宙開発と国際政治」がある。今回、ispaceが月着陸へ2度目の挑戦をしたことについて「今、NASAやJAXAがアルテミス計画という、月に行くプロジェクトをやっているので、その荷物を乗せるという需要がある。月は空気がないが重力がある。空気があればパラシュートでスピードを落とせるが、月にはないのでそのままドカンと行ってしまう。1回目もそれで失敗した。意外に難しいことなので、月に着陸に成功すること自体は大きな一歩」と説明した。
民間企業では、アメリカの宇宙企業であるインテュイティブ・マシーンズが2024年2月に世界で初めて月面に着陸。2社目になることのアドバンテージは大きいとし「1社だけだと、その会社がダメになった時のバックアップがない」と、世界で2社目になるべく激しい競争が行われていると解説した。
イーロン・マスク氏が率いるスペースXは、月よりさらに遠い火星に移住するために、巨大ロケットを開発している。鈴木氏は「それも1つの方法。NASAやJAXAは、そこまで大きなロケットを作るよりも、今あるロケットを活かして月まで行こうとしている」と補足。水の存在が確認されていることから、将来的には月でロケット燃料を作り、そこを中継地点として、火星など宇宙の別のエリアに向かうことが想定されている。
■何をもって「失敗」と呼ぶのか?
