【グランドスラム オブ カーリング】マスターズ (1月18日/カナダ)
まさに全員でもぎ取ったナンバー1ストーンだった。
最終第8エンド、残り2投の場面でロコ・ソラーレのスキップ・藤澤五月が投じた石は、スイーパー2人に加えてバイス・スキップの吉田知那美も加わり、3人の“フルスイープ”によりハウス中心に届けた。結果的に劇的な勝利へと繋がった渾身のシーンが視聴者の注目を集めた。
カーリングの国際大会「グランドスラム オブ カーリング」のマスターズに出場中のロコ・ソラーレ(Fujisawa)は日本時間18日、予選ラウンドのタイブレークでカナダのロウズ(Lawes)と対戦。第7エンドに2点を与え3-4と逆転を許した日本は、後攻の最終第8エンドで最低でも1点を取って追いつかなければいけない状況。スキップ・藤澤の残り2投が勝敗を決定づける局面を迎えていた。
ハウス内はカナダが奥側にナンバー1(黄色)を持っている状況。日本はその石の手前、中心部に赤をつけてナンバー1を取りつつ、次の相手の最終投球の難易度を上げることで複数得点を狙いにいこうとしていた。そして藤澤が静かに石をリリースすると、スイーパーの鈴木夕湖と吉田夕梨花はすぐさまスイープを始めた。繊細なコントロールが求められる場面、藤澤はウエイトを遅めにしつつ、履いてハウス中心部を目指す中、2人による懸命なスイープが続く。前方から指示を出していた吉田知那美も「ちょっとほしい!ちょっとほしい!ウエイト上げろ!」と声を張っていたが、ハウスに入ってきた瞬間、自らも立ち上がって履き始めたのだ。
最後は鈴木が仕上げのスイープを続けた結果、石は中心部にピタリとストップ。これを見たABEMAの解説・市川美余さんも「ナイススイープ!これはスイープで引っ張ってきましたね。よく頑張りました」と藤澤のコントロールショットもさることながら、3人のスイーパーが見せた奮闘を絶賛していた。市川さんが続けて「ここでナンバー1を取ったのは相手に相当プレッシャーですね。弾きたいけど自分たちの石に引っかかりそうなので出しにくい」と伝えたように、カナダの最終投球の難易度を引き上げるショットになった。
この一連のシーンをABEMAの中継で目撃した視聴者も「ど根性や!」「根性で持って行ったな」「スイープありがとー」「ナイススイープ」「ロコらしい」と、全員でもぎ取ったプレーを称賛していた。
結果的に、直後にカナダのスキップ、ロウズの絶妙なショットでナンバー1を奪われたものの、藤澤が最終投球でさらにナンバー1を奪い返して4-4の同点とし、2試合連続となるエクストラエンドへ。ロコ・ソラーレはここでも驚異的な集中力を発揮して、先攻ながらも1点をスチールして勝利を収め準々決勝進出を決めた。その後、惜しくもベスト8敗退となったが、大会を通じて光るプレーだった。
(ABEMA『SPORTSチャンネル』)


