■日本では規制すべき?

トランプ氏とTikTok
拡大する

 トランプ氏は、TikTokを合弁事業として、アメリカ側が50%の所有権を持つことを望んでいる。要求が実現した場合の影響として、どのようなことが考えられるのか。元警視庁公安部捜査員の稲村悠氏は、「アメリカにコントロールしてもらった方が、日本的には良いのでは」との見方を示す。

 その理由として、TikTokの危険性を解説する。「情報収集に加え、アルゴリズムで情報を操作して、プロパガンダを行う。アメリカでは、オラクルがTikTokのアルゴリズムを監査しているが、日本でそれが行われているかは知らない。日本もコントロールしてもらわないといけないだろう」。

 城西大学助教の塚越健司氏は、「結局はメンツの争いだ。トランプ氏と中国当局のメンツで、うまいところで落ち着かないか。中国政府も、完全にBANされるのは、正直困るだろう」とみている。

 日本人にとって、TikTokを使い続けることによる実害はあるのか。稲村氏は「ユーザーの趣味・趣向の情報が漏れたところで、個人にスパイ活動をするわけでもない。一方で、それが無数に集まり、中国の流したい情報を流せる、都合の悪い情報をシャットアウトできる仕組みがあるのは危険だ」と指摘する。

 塚越氏は、アンデシュ・ハンセン氏の著書『スマホ脳』を引き合いに出して、「画面をスクロールしていると、情報を追わないといけないと不安になり、ストレスホルモンが出る。しかし一方で、快楽物質も出て、期待と不安のスイッチが入り乱れる」と説明する。

 学生に聞くと、2時間スマホ操作していても、「何を見たか全く覚えていない」ケースがあるという。「面白いなと思っても、数秒で次の動画に行ってしまう。止まらずに進んでしまう恐ろしさは知っておいた方がいい」と述べた。

(『ABEMA Prime』より)

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【映像】米TikTok利用一時停止→再開なぜ?安全保障の懸念どう対処?日本も規制必要?
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