■電気で液晶を変化 遠くも近くも見られる「自動ピント調節メガネ」
エルシオの自動でピントが合うメガネは、大阪大学で開発した「フレネル液晶レンズ」を活用して作られた。遠いものを見る時、近いものを見る時で自在に度数が変化できるもので、老眼者がメガネをその都度交換することなく、生活を送れることを目的にした。李氏は「電気の力でレンズのピントを変える。距離を測る、目を測るといったセンシングの技術と組み合わせ、オートフォーカスを達成している」と説明。今回、CESで発表したのはプロトタイプだという。メガネの中にはバッテリーが内蔵されており、レンズ部分の厚みが物理的に変わるのではなく、液晶が電気の力で動くことで、光の屈折を変えている。「1段階目で外の世界を測り、2段階目で目を測るというステップだ」。
現在は老眼者向けに開発が進んでいるが、将来的には強い近視を持つ人にも使ってもらえるように進化させ、遠近両用を目指す。「今の段階で、度数はプラスマイナスで2.5度くらいの幅。将来的にはプラスマイナス10度までの幅を実現したい」。発売に向けてのスケジュールは「来年には10万円から15万円に合わせたい。バッテリーは10時間ぐらい持つように設計されていて、今年はもっと伸ばすようにと思っている」とさらに開発を進める。
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