■米農家になって大成功!「農業は経営と科学」
いまでは、全国平均の6倍にもなる利益率を記録している。「日本での100ヘクタールは、“大規模経営”と言われ、オペレーションには10人ほど必要だが、うちではテクノロジーを活用して、3人で実践している」。
従来型の農家とは、考え方も異なる。「よく『農業は勘と経験』と言われるが、そういう価値観をぶち壊したい。農業の土台は『経営と科学』だ。一般的な米作りでは、“田植え”をイメージするが、うちでは直にまいている。苗を作って、田植えをするのは、労力もコストもかかる」。
最新技術を用いて、「衛星解析とAIを使って、土壌の地力を視覚化する。必要な部分だけに施肥をすることで、コストを下げて、品質を上げる」といった試みもしている。とは言っても、これは米農家だからこその策だ。「作物によって戦略や技術論は違い、僕のやり方が良いかは比較しづらい」。
付加価値を高める農家もあるが、「市場のボリュームゾーンを狙うには、一般的な商品を圧倒的な低コストで、安定的に出す」ことに重きを置き、流通についても「B to Cはコストがかかるため、基本的にB to B」といった戦略をとっている。
収益拡大のための情報収集は欠かせない。「去年も2カ月ほど海外へ行き、8カ国を訪れた。世界で一番儲けているトップファーマーのところに行って、『どんな技術だ』と聞きだして、日本の米産業をリビルドしていく」。
海外を見ると、例えば「イタリアの米農家は、すべて直にまいている」といい、「日本には田植え機を開発する能力があったが、結果的にそれがイノベーションを遅らせた」との見解を示す。
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