■河合氏は「そもそも『不法移民』なのだから違法状態」

河合悠祐氏の主張
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 政策は外国人の問題に絞ってずらりと並べた河合氏だが、最もインパクトが強いのが、やはり「不法移民を全員強制送還」だ。不法移民・難民の問題については、まず来日した外国人が難民申請を出しても認定されるまで2年以上かかる。また不認定の場合でも再度申請を出すことができる(3回目以降の申請者は退去させることが可能)。不認定の場合は収容、仮放免といった状態に移行し、そのまま認定されなければ強制送還にもなるが、認定・不認定が決まるまでの期間が長いことから、結果的に「不法移民」として長く日本国内に在留し続ける事態にもなっている。

 河合氏は「そもそも『不法移民』なのだから違法状態だ。難民申請をして審査中だったり、却下されたりしても(日本に)いられるというおかしな制度。その状態を利用して、難民のふりをして出稼ぎ目的で来ている人がかなり多い。違法なのだから全員帰ってくださいという、当たり前のことしか言っていない」と、構造の問題と現状を伝えた。また日本の難民申請が、他国の基準と比べて厳しすぎるという指摘もあるが「他の国と比べて日本の難民認定率が低いが、それも当たり前。中東にいる人たちが、わざわざ高いお金を払って飛行機に乗り、極東の島国に来るのか。それは本当に難民なのか、動きが不自然だ。だから他の国より低くなるのは当たり前だ」と持論を展開した。

 さらには外国人との多文化共生という流れについても「多文化共生を進めようとするがあまり、いろいろな弊害が起こる。私は外国人を増やせば増やすほど、治安は悪くなると思っている。増やすか、減らすかを選んでくれ、白黒はっきりつけようという結果がトップ当選。私はこの道をみなさんが選んでくれたと思っている」とし、さらには「私は日本の政治家だ。日本人ファーストでまず考えなきゃいけない。日本の治安というのは世界最高レベルのものだ。2000年、3000年もかけて私たち日本人の祖先が作ってきた、最高の環境、治安だ。それを私たちの代で失っていいのか。これを守って、それを下の代に継承していくというのが私たちの世代でやらなきゃいけないことだ。この不法移民の問題に関しても、私は強く厳しくすべきという立場。極東の島国だからこそ生まれた単一国家、奇跡の国だ」と述べた。

 リディラバ代表の安部敏樹氏は「不法移民」と「外国人(全体)」の問題を混同することには疑問を呈した。「あくまでも不法な状態で国にいる人というのに区切ったほうがいい。日本には数百万人の外国の方が働いていて、学んでいるという状況だ。これは極めて合法的で、日本政府としてもむしろ来てくださいということをずっと言ってきた。そこの部分に関して、外国人が居ていいのかどうかという問いの立て方は非常に不適切だと思う」。

 ただ、河合氏のように不法移民の問題について、真正面から取り組む姿勢には評価も示す。「不法な状態でいる人たちに対してどうするのかというのは、確かにちゃんと考えないといけない。誰かが正面突破しなきゃいけないというのも事実だ。この話がイシューとしてあがってきて、河合さんがこれを掲げて票を集めたというのは、一つには生活が困っているという声があるからだ」とも加えた。

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