■移民2世Tehu氏「日本の制度の隙間、グレーゾーンに子どもが落ちている」

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 河合氏が強烈なイシューをぶつける中、日本人と外国人が共生する道には、どんなものがあるのか。「パブリックテクノロジーズ」取締役CTOのTehu氏は、中国からの移民2世として日本国籍を取得した。「僕はすごく親に感謝をしている。生まれた神戸では、中華街があるので、中国人コミュニティですごく集まる。ただ、僕はあまりそこに触れずに育ってきた。中国人学校には通ったが、日本人の社会で基本的に育って、自分は日本人だという意識がある」と述べ、『外国人』としての強く意識することなく育った。

 また「僕は不法移民の人たちが悪だとは思わない。いろいろな事情があって来たというのは、そうなのだろう。一方で、日本の制度の隙間というか、グレーゾーンに結局そういう子たちが落ちてしまって、本当に罪のない子どもたちが、将来的にすごく悲しい思いをするというのであれば、最初からちゃんと制度をしっかりして、そういうことが生まれないようにする。日本に行ったら長くいられるかもという期待を、そもそもしないでいただくとかも含めて、長期的には厳しくしていったほうがいい」と、制度によって恵まれない人々が出るのであれば、あえて受け入れを厳しくするという方向性もあると述べた。

 また安部氏は「外国人に日本のマナーを誰かが教えることをしていないから、外国人に対する嫌な感情を、他の日本の方も持つようになっていき、嫌がられた側も日本人が嫌いになっていく。双方にヘイトが溜まりやすくなっていく現場もよく見る。これは誰かが教えてあげればいい話。そういうことを積み重ねていって、外国から来た人が統合されていき、日本の中でも働いてくれる。あるいは日本人になってくれるかもしれない」と指摘した。

 加えて「日本の歴史を数千年単位で見た時に、外国から来る人を拒んで治安をよくしてきたわけじゃない。外から来た人たちと対話して、統合したことによって治安が維持されている。その文化のほうが、僕は日本の愛国だと思う。来た人を排除するのではなく、どうやって統合していくのかのほうが、本来的には日本の保守なのでは」と語ると、Tehu氏も「『統合』という表現はちょうどいい。『同化』と言ってしまうと、すごくトゲが出てくる」と同調した。

 今回の河合氏の当選、さらに政策について安部氏は、全国で同じ問題を抱える自治体においてのモデルケースになるとも考えている。「埼玉南部の政治的なアクションをここ10年、20年、30年でぜひレビューしていただきたい。1回、これで対処するとなった時に、他のエリアで同じようなことが当然、将来起こるだろう。そうした時に、初動で本当は何をしておくべきだったのか、みたいなことはぜひ埼玉南部の事例をもとに、全国的な一つの教訓にしたほうがいい」と語った。
(『ABEMA Prime』より)
 

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