就任わずか2週間で、早くも“トランプ関税”をめぐり世界中に影響が広がっている。カナダとメキシコに25%、中国に10%の追加関税をかけるとして、各国の緊張が高まっている。カナダは1550億カナダドル相当のアメリカからの輸入品に、25%の関税を段階的に課すと応戦。メキシコも、アメリカとの「対立を望んでいない」としつつ、緊急対策会議を開き、報復関税を課すことを示唆した。トランプ大統領はカナダ、メキシコに対する関税について1か月延期する大統領令を出した。
そして中国は、アメリカをWTO(世界貿易機関)に提訴すると表明し、反撃措置を取るとした。一方でトランプ氏は、EUに対しても新たな関税を課すとし、「短期的な多少の痛みはあるかもしれない。国民はそれを理解している」と発言している。
2月7日には、トランプ氏と石破総理による「日米首脳会談」を予定している。『ABEMA Prime』では、日本はトランプ氏とどう向き合うべきか考えた。
■「トランプ氏は取りたいものを取れたら満足する」
第1次トランプ政権との貿易交渉を担当し、日米貿易協定などをまとめた、関西学院大学・総合政策学部の渋谷和久教授は、対トランプにおける“日本の手札”を3点挙げる。まずは「LNGの共同開発や米国LNGの購入」で、日本はエネルギー供給元が増え、米は対日貿易赤字が減るため、お互いWin-Winになるという。2つ目は「WTO改革」で、トランプ氏がWTO脱退しないよう、パランスをとりつつ「一緒に改革しましょう」と呼びかける方向性だ。そして最後は、「日本企業の対米投資額の増加」だという。
渋谷氏は「アメリカは昔から“自国ファースト“だ」と指摘する。「オバマ政権時代の方が、TPP交渉で必要以上に、各国からいろいろなものを取ろうとしていた。トランプ氏は『自分が取りたいもの』を取れれば、それで満足な人だ」。
トランプ氏の「取り巻き」にも注意が必要なようだ。「取り巻きが『ああしないと関税25%をかけられるぞ』などと、自分がトランプ氏に褒められたいだけで、不正確な情報を言っていることが多い。あまりうのみにしないで、トランプ氏と最側近と直接交渉するのが、一番安全なやり方だ」とアドバイスする。
■「グリア氏に相談するのが一番いい」

