自然に生まれたアドリブ「すみませんでした。チューして」

©2025『知らないカノジョ』製作委員会
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――中島さんは、このタイミングで三木監督と仕事ができたことは意味のあることだったとコメントされています。実際にご一緒していかがでしたか。

中島: 僕のナチュラルな部分を引き出してくださったと思っています。三木監督から僕へのディレクションだけではなくて、キャスティング、世界観など、トータルで俳優として赤裸々になれました。僕自身、音楽活動は飾ることや良く見せることが多い一方で、映画は心を裸にする場所だと思っています。三木監督は僕の飾る気持ちとかケレン味を取り除いてくれて、本当の素直な感情を映画に残してくれたなって思います。

――監督はどんな方法で中島さんの感情を引き出されたのでしょうか。

中島: 本当に繊細なディレクションでした。考え過ぎてしまう僕に対して「あんまり考えなくていいよ」とか「気負わずにリクといっしょに心の理解を深めておいて」といった優しいアドバイスをいただきました。普段は、緊張するシーンがあるとこわばっちゃうことがありますが、今回の現場ではなかったですね。それこそ、きりけんさんと一緒のかじさんとのシーンでは、台本の中にない偶発性のある感情が急に出てくることもありました。きりけんさんとの関係性もありますし、三木監督のおかげで生まれたものもあります。この10年間、三木監督の作品を観ていて、ずっと出たいと思っていました。新たなスタートを迎えるタイミングで憧れていた監督の作品に出演できたことでとても心が充実しました。

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――中島さんと桐谷さんのお二人のシーンはとても自然で本当に楽しそうに見えました。桐谷さんのほっぺにチュッてするシーンがとても印象的でしたが、あれはアドリブだったのかなと。

中島: ははは! すみませんでした。チューして。

桐谷: 全然、いいよ。「あれはアドリブだったんですか?」って聞いてるよ。

中島: アドリブです。なんでしょうね、本当にあのときの空気感がよくて、心が先行してそういう行動になりました。空気を作ってくださった先輩にも三木監督にも感謝です。

桐谷: 作品の世界の中では、リクはかじにするだろうなって思いました。アドリブに対しての違和感はなかったですね。

――改めて完成作を見られていかがでしたか。

中島: いい意味で、あまりにもナチュラルな部分が切り取られているので恥ずかしいですね。すべてをさらけ出して、裸になれた作品だと思っているので、僕の全部を一回お見せしますけど、いかがですかって感じです。

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