「50代の息子の一人」に取材

50代の息子に取材
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 さらに、火災からちょうど1年経った2023年2月6日、現場に足を運んだところ、「50代の息子の一人(弟)」に会うことができたという。

 当日119番通報したという彼から「亡くなったのは父親が雇っていたタイ人の男性従業員だ」と聞いた。
 50代の息子によると
・男性2人、女性3人の不法労働者を父親が雇用
・あだ名「シャイ」「クロ」が男性、「リア」「40」「50」が女性
・女性1人はやけどの治療で病院に
 数字の呼び名はそのくらいの年齢に見えたということで呼ばれていたという。

 亡くなった男性の他に、女性1人が怪我をして、成田の病院で治療を受けていたという。

 では遺体は誰だったのか?

「『シャイ』という男性。本人(50代の息子)曰く、ずっとあだ名で呼んでいた。不法就労だったため、書類などもない。だから、わからないと」(川﨑デスク)

 だが、一つ手がかりがあった。遺体を火葬して、その遺骨をタイに送る際に手続きなどで時間がかかったため、茨城県つくば市にあるタイの寺院に安置したという。

遺体を安置した寺院を発見

寺院「ワットメッタダム」
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 川﨑デスクは何箇所かタイの寺院を周り、笠間市にある寺院「ワットメッタダム」にシャイさんが安置されていたことが分かった。亡くなってから約3カ月後遺骨が安置され、葬式のようなことが行われたという。

 弔ったのは誰なのか?

「どうやらタイ人のコミュニティの中で『火災で亡くなったが不法就労で、身元がわからず連絡がつかない人がいる』とSNSで広がり『かわいそうだね』と何人か有志が集まった。その一人がタイ料理店に勤める女性であり、その方に聞いたことでようやく亡くなった男性の本当の名前もわかった」(川﨑デスク)

亡くなった方の本名が判明
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