テレビの前やスタジアムで推しのチームを応援するプロ野球観戦。
【映像】「攻撃的暴言」「徘徊」が減…“改善”がひと目で分かるグラフ
その中でも熱狂的なファンを抱える“あるチーム”に関する驚きの研究が発表された。
それは、阪神タイガースの優勝が認知症の症状を改善するというものだ。
38年ぶりに日本一に輝き、高い経済効果ももたらした阪神タイガースの優勝により、およそ443万人と推計されている認知症患者の一部にも効果があったという。
シーズン前と優勝後のカルテで症状に変化が
その調査結果を学会で報告したのは、大阪にある脳神経内科はつたクリニックの初田裕幸院長だ。阪神ファンが多く通院していたことが研究のきっかけだったという。
「阪神が勝った次の日とかに受診されると機嫌が良く、診察もスムーズに進むことがあった。それを踏まえ、2023年に阪神が優勝したことによって認知症の症状はどれくらい良くなったのか調べさせてもらった」(初田院長、以下同)
初田院長は、通院する認知症患者855人を対象に阪神がセ・リーグ優勝を果たした翌日の9月15日から12月31日にアンケートを行った。
付き添いの家族に対して「スポーツ観戦をするか」「どのスポーツか」「ひいきにするチームがあるか」「勝敗による症状への影響」などを聞いたという。
その中で100人以上いた阪神ファンの患者のうち、家族が「勝敗による症状への影響がある」と答えた18人の中で、シーズン前と優勝後のカルテで症状に変化があったという。
「認知症の『BPSD』という記憶障害ではなく妄想や暴言といった周りの方が困る周辺症状の有無や程度を調べると、総合点において良くなることがわかった。阪神以外の球団を応援されている方に関してはシーズン前からシーズン後において、変わらないという結果で、一部は悪くなる群もあった。明らかに阪神ファンの勝敗によってその症状が左右される部分において改善するということが、その群だけにおいて認められた」
なぜ改善したのか?
18人の周辺症状を比較したデータを見ても、シーズン開幕前は高かった「攻撃的暴言」や「徘徊」などのスコアが優勝決定後には大きく低下していることがわかる。一方、家族が「症状に変化はない」と回答した阪神ファンの95人は、カルテ上の周辺症状で改善はみられなかったという。初田院長によると、症状の度合いが関係しているという。
「やはり野球を見る習慣があること自体(症状)が軽めの方だ。中等度より進んでくると野球を見なくなったり、見るけどよく分からなくなってきたりする方がいる。阪神の影響があった群は軽めの方々が一番多く、そういう方々の大きい要素になるのでは」
これまでも、高齢者を野球場に連れていくことで、うつ状態や老年期の精神状態がよくなったといった他の球団による調査や「スポーツを見ること」によって高齢者の健康増進にいい影響があるといった報告もされてきた。
今回の初田院長の研究では「見ているスポーツの勝敗」が認知症患者にどう影響するかということが新たに分かったという。
「特に関西は阪神ファンの方がたくさんおり、日本中にもある程度いる。そう考えると認知症領域において効果が波及したのではないか」
スポーツ観戦だけでなく勝敗までもが認知症の周辺症状に影響をするというのが分かった今回の研究結果。あくまで1つのクリニックでの調査ではあるが、阪神タイガースの優勝が認知症の症状にもたらした影響について、精神科医の木村好珠氏は「『嬉しい』『楽しい』という気持ちはなかなか味わえるところはなく、それこそ認知症などになると不安などの気持ちがすごく強くなってしまう。そんな時に無条件でわーっと喜べるところがあることは心身にいい」と述べた。
(『ABEMAヒルズ』より)
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