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 2月11日、プロレスリング・ノア『STAR NAVIGATION PREMIUM ~NOAH Jr. TAG LEAGUE 2025~』開幕戦、東京・後楽園ホール大会が開催された。メインイベントは、元日の日本武道館大会で清宮海斗を破りGHCヘビー級王座を奪取し、プロレス界にOZAWAショックを巻き起こした王者OZAWAの初防衛戦。イホ・デ・ドクトル・ワグナーJr.の実弟であるヘビー級ルチャドール、ガレノを迎え討った。

 この日の後楽園ホールは、1560人の観衆を集めて超満員札止め。これでNOAHの後楽園は1月11日に続き2大会連続で札止め。その原動力となったのは、やはりOZAWAの存在だ。

 OZAWAは前哨戦でガレノのマスクを強奪すると、そのマスクを被り自作自演したと思われる“ガレノ”のスキャンダル暴露写真をSNSで次々と公開。試合前日の記者会見ではメガネをかけた「通訳の小澤」として登場し、「あなたはイホ・デ・ドクトル・ワグナーJr.の弟であることが唯一の取り柄」「あなたには大した価値はない」と、デタラメなスペイン語の“チャンピオンからの手紙”を通訳するなど、とことんおちょくってきた。

 そして迎えたこの日のGHCタイトル戦。OZAWAはガレノのマスクを被り、白々しく松葉杖を突いて入場。試合も序盤からガレノの痛めている右ヒザを攻撃しダウンさせると、鼻をほじってマスクに鼻くそを付け、「ビバ、メヒコ!」と叫ぶなど挑発ざんまい。

 怒ったガレノが場外の鉄柵にOZAWAを打ちつけ、「キタナーイ!」と叫んでから掟破りの逆・鼻くそで応戦。リングに戻って重爆ボディプレスから、ルチャ伝統の技ゴリー・スペシャルを決めるが、セコンドのオオワダサンがエプロンに立ち、レフェリーを引きつけている隙にOZAWAはガレノの背後から松葉杖で一撃。そしてガレノを場外に落とすと、ダンスでおちょくってから、ほぼ助走なしでトップロープノータッチのトペコンヒーロを決める。

 おちょくりでふざけているようで、超絶技で観客を心を惹きつける。これが唯一無二のOZAWAワールドだ。

 後半、ガレノがトップロープからの雪崩式ガレノスペシャル。さらにOZAWAの体が一回転するほどの強烈なラリアットから正調ガレノスペシャルと畳み掛けるが、カウント3寸前でセコンドのヨシタツがレフェリーの足を引っ張りカウントを阻止。

 それでもガレノが兄譲りのワグナードライバーで勝負に出るが、OZAWAはこれもカウント2で返すと、トドメのムーンサルトプレスを狙うガレノの巨体をOZAWAは雪崩式スパニッシュフライで切り返し形成逆転。

 OZAWAは前哨戦で奪ったガレノのマスクを被りスリーステップムーンサルトを決め、さらに首筋を舐めてからハイアングルのドロップキックを突き刺すと、ガレノの体にマスクを叩きつけ、リアル・レベル(ワンステップ式フェニックススプラッシュ)を完璧に決めて3カウント奪取。見事、初防衛に成功した。

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 試合後、この日OZAWAと同じTEAM2000X所属の遠藤哲哉からGHCナショナル王座を奪い返した“情熱番長”征矢学がラーテルズを従えてリングイン。マイクを握ると「OZAWA、ベルト防衛おめでとうございます……なんて言いにきたわけじゃないんだよ。言いたいことは、ひとつ。ここにGHCナショナルのベルトがある。次、俺が狙うのはそこにあるGHCヘビー級のベルトだ。俺が情熱的にいいいいいいいいいいいい! 情熱的にいいいいいいいいいいいい!情熱的にいいいいいいいいいいいい!そのベルトに挑戦させろおおおおお!!!!!」と、情熱的に挑戦を表明。

 これに対してOZAWAは、あっさり「いいよ」と快諾。そして「別になんでもいいんだけど、このベルトを懸けるだけって不公平かな。全然いらないけど、等価交換じゃないし、こっち(GHCヘビー級王座)のほうが全然価値があるけど、それもかけてもらってもいいかな? いらないけどね」と、失礼な言い草でGHCヘビー級とGHCナショナルのダブルタイトル戦を提案。

 これに対して 「望むところだあ!!!!」と激アツの叫びで応える征矢にOZAWAは「わかった、わかった、おつかれさまでした」と、面倒くさそうにあしらった。

 征矢が去り、OZAWAコールが鳴り響くリングでOZAWAは再びマイクを握ると、「今回の防衛戦も思いのほか余裕だったなあ。今日はジュニアのタッグリーグ、あと某業界最大の二軍三軍でがんばってた人が久しぶりに後楽園参戦してきたり、小さなイベントは多々あったけど、ほとんどのお客さまたちは、俺のメインイベントの闘いを見に来てくれたと思うんだよね」と余裕のコメント。

 さらに「征矢とかもいいし、丸藤とか杉浦とか拳王とか清宮とか、プロレスのやり方とかわからなったら、俺に全然聞きに来ていいから。俺がプロレスのやり方教えてやるよ。全然、アドバイス聞きに来ていいし、胸とか全然貸すから。そいつらの挑戦とかいつでも挑戦待ってるからなー。じゃあ、今日はおつかれさま! ザ・リアル・レベェェェル!」と、超・上から目線で締めた。

 あまりにも不遜な発言だが、昨年11月のTEAM2000X入り以来、OZAWAがほんの短期間でNOAHの空気を完全に変えたこともまた事実。傲慢ながら試合内容と結果でそれを説得力あるものにさせるOZAWAの勢いは、まだまだ止まりそうにない。

 大会終了後、3.2横浜武道館大会でOZAWA vs 征矢学のGHCヘビー級&GHCナショナル・ダブルタイトルマッチが正式に決定。OZAWAは、あっという間に2冠を独占し、NOAHを完全制圧するのか。それとも征矢が情熱的に、情熱的に、情熱的にOZAWAを止めるのか。NOAH春の大一番に注目だ。

(C)プロレスリング・ノア

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