■なぜ有機農産物へと切り替える?
森澤氏は慶應大学を卒業後、日本テレビに入社。その後、複数の会社を経て、一度は家族とともにシンガポールに渡るも、帰国後は小池百合子都知事による政経塾に入り、政治家の道を歩み始めると2017年に都議会議員に、そして2022年には品川区長に当選した。その後2年あまりで次々と子育て支援策などを打ち出し、これを短期間で実行にまで移していることから、評価を得ている政治家の一人だ。その森澤氏が今回打ち出したのが、学校給食の野菜を有機農産物に切り替えること。世間では「オーガニック給食」という表現もされている。
まず、なぜ有機農産物への切り替えを考えたのか。「(給食の)質の向上を図っていくという意味で、有機の野菜というのを採用して行きたい。その結果、児童の健康に寄与すると考えている」。実施に踏み切った理由としては、全区民対象のアンケートで質に対する要望があり、また中学生とのタウンミーティングでも「おいしい給食が食べたい」との意見が出たという。これらを踏まえ「質や量のお声もいただいている。そこもしっかり確保していこうと思っているところだ。有機導入については、品川区だけが独自にやっているというよりは今、農水省が2050年までに有機の農地を25%にしていこうという中で、給食の需要もそこに有機を導入していくことは需要を生み出すことになる。自治体でもすでに100以上のところがやっていたりする。そういうSDGsの観点からもすごく大事かなと考えているところ」とした。また、「品川区もSDGs未来都市というのでSDGsをしっかりと取り組んでいくというのがある。フードマイレージの話でいうと、そもそも品川区は農地がない。であれば、地球環境に優しい食材を使っていくことも意義がある」と述べた。
「量」の観点でいえば、野菜を有機農産物に切り替えるのではなく、1品追加するという案も考えられるところだが「いろいろたどっていくと、今は学校単位で食材の調達をしている。そうするとなかなかスケールメリットというか規模のメリットが働きにくいところもある。一括して調達していくことで、よりよくしていきたい。価格のことも言われるが、基本的には今回有機でやることも給食(費)全体の1%なので、妥当なところかなと考えている」と説明した。また、有機への切り替えとは別に、量への対策として「単価の引き上げ50円を考えている。そこで量もしっかり確保していったり、味も研修などで高めていくことも必要だ」と語った。
(『ABEMA Prime』より)


