このアメリカ戦では、目を疑うようなワンシーンもあった。54分、GK山下杏也加が蹴ったライナーの鋭いパスに対して、長谷川がセンターサークル手前で反応。まず、右足のアウトサイドを使って自身の胸の位置あたりまで浮かせ、さらに落ちてきたところをもう一度右足アウトでスペースへ持ち出し、サポートに来た籾木へとボールを預けたのだ。
あの速度と距離のボールを難なくコントロールしてしまう選手は、世界広しと言えど決して多くないはず。文字通りの神トラップだった。直接的にゴールに繋がったシーンではないが、衝撃度で言えば最も大きく、ある意味で長谷川のクオリティーが最も分かりやすかったかもしれない。
こうした数々のスーパープレーを繰り出した今大会の長谷川に対しては、サッカーファンが何度も驚愕。中継したABEMAのコメント欄やSNSでは「レベチ」「別格」「うますぎる」「ロベルト・バッジョみたいなベルベットパスやった」「センスの塊」「やばすぎる」「日本の女帝」「真の天才」「凄くて笑ってしまった」「神トラップ」「完全になでしこの女王」「三笘ばりのトラップ」など絶賛の嵐となった。
ニールセン新監督の下で長谷川は、以前より攻撃的な役割を担っており、指揮官が志向するポゼッションスタイルも彼女に打って付け。本人もアメリカ戦後、「監督が代わってポジションや役割がみんな少し変化した。それでも自分たちの目指すボールを細かく繋ぐサッカーができたし、今日も最後に放り込まれてもしっかり耐えて逃げ切れたことは、大きな収穫でした」と手応えを感じていた。新生なでしこジャパンでも、背番号14が引き続き核となっていくのは間違いないだろう。
(ABEMA/2025 SheBelieves Cup)



