まさに変幻自在といった指し手を見せたのは序盤だった。先手の屋敷九段が居飛車・雁木、三枚堂七段が居飛車・矢倉に構えたところ、屋敷九段が守りに使うだろうと思われていた右側の金が、▲2七金と攻撃に参戦していった。これを見た両チームの控室はびっくり。北海道・東北の広瀬章人九段(38)が「こりゃ勉強になる」とうなずくと、関東Aの控室では「えー!」「おお~ぅ!」と大興奮。羽生善治監督(54)が「へー!」と声を張ると、木村一基九段(51)は「忍者、出ました!みたいな感じだな。これはさすがに三ちゃん(三枚堂七段)も動揺したな」と笑い出した。
解説していた門倉啓太六段(37)も「屋敷九段の、中住まいから金が出る見たことがない。棒銀から端攻めはあるが、棒金から端攻めはみたことがない」とコメント。ベテランになっても、まだまだ見せる変幻自在の手を楽しんでいる様子だった。
◆ABEMA地域対抗戦 inspired by 羽生善治 全国を8ブロックに分けた「地域チーム」によって競う団体戦。試合は監督と出場登録棋士4人の計5人が参加。全員が1局ずつ指す「ステージ1」と、ステージ1で勝った棋士が負けるまで指し続ける「ステージ2」に分かれ、5人を先に倒した方が勝利チームとなる。対局は持ち時間5分、1手指すごとに5秒加算のフィッシャールール。大会は2つの予選リーグに4チームずつ分かれ、変則トーナメントで2勝すると本戦進出。ベスト4となる本戦は通常のトーナメント戦。
(ABEMA/将棋チャンネルより)