カナダ・ケベック出身でインディーズ時代から共にキャリアを築いてきた元親友同士による決着戦は、凶器の使用などの反則がなくリング内外での過激な攻防が許される形式。遺恨がこじれにこじれ、WWEの運営が匙を投げた結果「非公式試合」扱い。ルールは“なんでもあり”。レフェリーは一応用意したものの、何があっても進行を止めない。ファンの間からも「非公式とは?」とツッコミどころ満載の一戦となった。
開始早々、オーエンズがサミをトップロープに腹部から叩きつけ、セントーンで追撃するなど主導権を握る。サミも反撃し、リングサイドで椅子を引き出して攻撃。さらにリング下からホッケースティックを取り出し、オーエンズに振り下ろす”ホッケー大好きカナダ民”に刺さる演出で会場の大歓声を浴びた。
序盤からABEMAのWWE中継の清野茂樹アナウンサーは「常軌を逸している…」とこの試合を伝えたが、試合中盤さらに制御不能な展開が待ち受けていた。首を痛めているサミに対して、オーエンズが容赦なくリング中央に配置したスチールチェアーに投げ落とす暴挙。サミも椅子の上にスープレックスでオーエンズを叩きつけると「危険、危険!」「やべえよこれ、マジかよ」などファンも頭を抱える事態に…。
この展開はここで終わらず、サミの必殺技「ヘルヴァ・キック」に対して、オーエンズが横にいたレフェリー(非公式)を盾にする凶行。顔面にモロ被弾したレフェリーは失神。清野アナウンサーも「これはダメでしょ…」と口ごもると、「レフェリーかわいそうに」「それはやりすぎ」とファンの批判が殺到した。
レフェリー不在のままオーエンズが「スタナー」。しかし、当然のことながらレフェリー不在のためカウントはナシ。サポート役のサブレフェリーが遅れてカウントするも、サミがギリギリでキックアウト。千載一遇の好機を逃したオーエンズは、その腹いせにサブレフェリーに「クローズライン」を放つ暴挙。解説のもりおが「何してるの…どうかしてますよ」とあ然とすれば、清野アナウンサーは「ダメでしょこれ。常軌を逸してます」と呆れた様子。
リング上には倒れ込んだ2人のレフェリー。事件現場のような修羅場に3人目のレフェリーが投入されると「レフェリー大変だな」「労災も下りないんだろうな…」とコメント欄には激しい戦いの主人公たちよりもレフェリーたちへの同情の声がズラリ。
試合後半にはあまりにも凄惨な展開にWWEスタッフが総出でオーエンズを制止。「試合をやめてくれ」と懇願するがメンヘラ男には通じず、エプロンの硬いところへのパワーボムを連発。ここでサミの首が音を上げカウントスリーで終焉。この頃にはファンからは「終わった」「終わってよかった」「やっと終わってくれた」の声。その後、この抗争に絡む”第3の男”ランディ・オートンの乱入もあり、この遺恨の物語は次のフェーズへと突入した。
この記事の画像一覧


