「組織的な階層と“社内政治”が多い」

イーロン・マスク氏の発言
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 社会起業家で途上国支援に関わる中でUSAIDと接点も多かったという牧浦土雅氏は「USAIDは日本でいえばJICAのような、基本的には途上国支援に特化している国際機関。1万人ほどの職員がグローバルサウス、途上国で活動している。人道支援から衛生環境の整備、飢餓撲滅のために働いている。ただ、とにかく組織的な階層と“社内政治”が多い。例えば補助金を獲得するためのプロセスが非常に煩雑で、ペーパーワークだけではなく、アメリカから西アフリカのガーナまで職員が来て実地調査を行って、我々の会社の実態のリサーチ、どういう人がプロジェクトに関わり、何年の間にいくら・どこに使うのか精査される。その点はアメリカ国民の血税を使っているので正しいことではあるが『そこまでやる必要があるのか』は疑問だ。また、アメリカ国民にどのような恩恵が戻ってくるのか、論理的な思考はあまり求められていなかったところに対してトランプ大統領並びにイーロン・マスク氏の主張があり、アメリカ国民も改めてこの支援の正当性について考え直している時期だ」と説明した。

 さらに牧浦氏はUSAIDの支援のあり方についても「農業支援みたいなものは5年、10年単位で行われないといけない。USAIDがよく『機械化のためにトラクターを提供しましょう』『肥料を渡しましょう』と1年ぐらいで使ってしまう。すると支援がなくなった時にどうするのか考えられないことが多かったりする。もしかしたら、トラクターではなく営農指導、どういう風に農業をやればいいのかというソフトの部分が必要だったのではないか。職員も、2年、長くて5年ぐらいの駐在になると、自分の任期中に何か結果を出す。そして、本国の職員の皆さんも、基本的には我々の補助金も2年から3年の間にどう使うかというところ、そこでのモニタリングが一番大事になってしまうので、それ以降は担当者も変わってしまい、どうしても短期的なマインドセットというところがあり、“ムダ”というのは言い過ぎかもしれないが、まだまだ効率化できる余地は残っていると思う」と述べた。

 イーロン・マスク氏の振る舞いや言動については「見ていて清々しくはある。我々は民間からのお金であったり投資が99%なので、直接的な影響は軽微だったが、やはりここまでのドラスティックな改革ができるアメリカがすごい。やはり大きな変革をするには、こうしてトップダウンで行っていかないといけないという点からも、アメリカ/トランプ政権にしかできないようなことなのでは」と語った。
(『ABEMAヒルズ』より)

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【映像】「気持ち悪い」 小学校隣接の公園で性的ビデオ撮影
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