【スーパーフォーミュラ】第1戦(決勝・3月8日/鈴鹿サーキット)
【映像】こんなことある!?全車両が一斉にピットインした珍光景
全車両が同時にピットインするという異例の光景となった。セーフティカー(SC)の出動と、10周目からのピットイン義務が重なり、ピットは大混雑に。順位を落とす上位陣を横目に、昨季王者の坪井翔が6位から3位に浮上する“豪運”を発揮し、注目を集めた。
3月8日に鈴鹿サーキットで開幕したスーパーフォーミュラ2025のRd.1。レース9周目の小高一斗(#28 KDDI TGMGP TGR-DC)と大湯都史樹(#39 SANKI VERTEX PARTNERS CERUMO・INGING)のクラッシュがキッカケとなりSCが出動。2レース制大会の初日である本大会は、10周目以降にタイヤ交換が義務付けられているため、全車両がこのタイミングでピットイン。結果、コース上にはクラッシュした2台とSCのみが残るという珍光景が起きた。
大混雑のピットレーン。ピット作業は1チームにつき1台しかできないため、ダブルスタック(ピット作業待ち)が各チームで発生。特に1位の岩佐歩夢と2位の野尻智紀を擁するTEAM MUGEN、3位の太田格之進と4位の牧野任祐を擁するDOCOMO TEAM DANDELION RACINGは苦渋の選択を迫られる展開となった。
4台とも好調な走りを見せていただけに、特に2台目のピットインとなった野尻と牧野はこのダブルスタックで大幅にタイムロスを負うことに。ポールポジションスタートで2位につけていた野尻は8位に後退。4位に位置していた牧野は、ピット作業中にエンジンストール(エンスト)が発生したことでさらに大幅なタイムロス……最後尾付近に転落する不運に見舞われた。
多くのチームで混乱が発生する一方で恩恵を受けているチームも。昨季のチャンピオン・坪井翔(#1 VANTELIN TEAM TOM’S)だ。同チームのサッシャ・フェネストラズよりも前方の6位でピットインしていたため、スムーズにピット作業を終え、タイムロスを受ける上位陣を横目にピットアウト。表彰台圏内である3位へと急浮上した。
スタジオ解説の中山雄一氏は「(スタートグリッドが)9番手スタートから3番まで上がりましたよ!これが坪井選手が“持っている”なと思うところです。もちろん速いですし……運も味方につけて順位を大幅に上げるというね」と驚きを隠せない。
ファンも「大運動会きた」「春のピット祭りw」「ピット大混雑」「大渋滞くるぞ」「坪井ラッキーすぎるw」と大興奮の様子を見せていた。
なお、坪井はレース再開後の13周目、OTS(オーバーテイクシステム)を温存する戦略を選択。これに対して、後続の佐藤蓮(#64 PONOS NAKAJIMA RACING)はOTSを発動し、ブースト状態で激しく追い上げる。約20秒にわたるチェイスの末、坪井はオーバーテイクを許して4位に後退。その後も最後まで抜き返すことができず惜しくも表彰台を逃す形となった。
(ABEMA『スーパーフォーミュラ2025』/(C)JRP)




