石破総理が自民党の当選1回の衆議院議員に対し10万円相当の商品券を配っていた件について、総理公邸での懇親会に同席していたという林官房長官に数多くの質問が投げかけられた。
以下、14日の会見における林官房長官と記者とのやりとり。
━━閣僚懇談会の後に石破総理から発言はあったか? これまでの説明で国民からの理解が得られたと考えているか? 国会審議への影響はないか?
「個人としての行為について、官房長官の立場で答えることは差し控える。石破総理は自民党総裁として会食のお土産代わりにご家族への労いなどの観点から私費で用意したもの、政治活動に関する寄付ではなく、政治資金規正法上の問題はない、選挙区にお住まいの方もいなかったため公職選挙法にも抵触しない旨を説明した上で『大勢の方々にご心配をおかけし、お騒がせしていることは申し訳ない』などと述べたものと承知している。先ほど、閣僚懇談会の後にも総理からその旨発言があった。なお、国会の運営に関することについて政府としてコメントすることは差し控えたい」
━━石破総理は政治資金規正法と公選法に抵触しないとの認識を示したが、政治家同士でお土産として10万円の商品券を出すことが社会通念上許容されると考えるか? また、野党は一斉に反発をしており、辞任要求も出ているがどう受け止めているか?
「石破総理は自民党総裁として、会食のお土産代わりにご家族への労いなどの観点から、『私費で用意したものであり、法律に抵触するものではない、このことによってお騒がせをしているということは申し訳ないことである』と、そういう旨述べている」
━━総理個人の行為という説明だが、総理が主催し、正副官房長官も出席する会合、この場が政治活動ではないのか?
「お尋ねの会合について、石破総理は自民党総裁として、『本当にご苦労をかけてすまなかった』ということで行ったものであり、政治活動とは関係のないものであると。『会食のお土産代わりにご家族への労いなどの観点から私自身の私費で用意したものであり、法律に抵触するものではない。そして、このことによってお騒がせをしていることは申し訳ない』という旨述べているものと承知している。私や副長官は、お声がけをいただいたので、一自民党議員として参加をした」
━━石破総理は、昨日、記者団に対して、過去の他の会合でも商品券を配布したことがあるという認識を示した。過去の他の事例の確認や返還の働きかけなどの対応を検討するか?
「個人としての行為について政府として答えることは差し控える」
━━一国会議員でもある総理大臣から国会議員に労いとして商品権を渡すという行為が政治活動ではないのはなぜか? こうした理屈は一般社会で通用すると考えているか? また、「政府の考える政治活動の定義」は?
「先ほど来申し上げているように、石破総理は自民党総裁として『本当にご苦労かけてすまなかった』ということで行ったものであり、政治活動とは関係のないものであるという旨述べている。政治活動について法は特に定義規定を設けていないが、『政治上の主義もしくは施策を推進し、支持し、もしくはこれに反対し、または公職の候補者を推薦し、支持し、もしくはこれに反対することを目的として行う直接間接の一切の行為をいう』と承知している」
━━石破総理が主催し、長官も同席されたこの会合のお土産として商品券が配られることは、長官自身は認識・把握していた?
「私個人のことをこの場で申し上げるのは控えるが、法令に則って対応している」
━━長官自身は、過去に同様に商品券をお土産名目で受け取ったり配ったりしたことはあるか?
「個人としての行為について政府として答えることは差し控える。また、先ほど申し上げたように、私個人のことをこの場で申し上げるのは控えるが、法令に則って対応している」
13日、23時20分過ぎ、そして14日の早朝に石破総理は会見を開き、改めて違法性を否定。商品券を配布したのは初めてではないとし、野党から追及されている自身の進退については「これは公職選挙法にも政治資金規正法にも何ら抵触をするものではない」と述べた。
商品券が配布されたのは今月3日に総理公邸での懇親会に参加した当選1回の議員15人ほど。懇親会の当日、石破事務所の秘書が参加する議員らの事務所を直接訪問しおみやげという名目で届けた。
受け取った翌日に返却した議員もいるという。石破事務所の関係者は商品券の費用は総理のポケットマネーから捻出し、違法性はないとしている。この懇親会には石破総理のほか林官房長官らも同席していた。「政治とカネ」が国会で議論される中で、石破総理への批判が高まる可能性がある。
(ABEMA NEWS)
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