トランプ政権をめぐっては毎日“溢れんばかり”の情報が流れてくるがこれは「戦略」との見方がある。
Flood The Zone(情報洪水)という言葉もあるが、実際に大統領になるやいなや大統領令を連発している。
この状況について、アメリカ現代政治外交が専門の前嶋和弘教授は「最初から意図的だ」と指摘する。
「大統領というのは、国民を説得して、議会を説得して、立法してもらって、それを解釈して大統領令を出していく。だがそうではなく、説得することはやらずに、勝手に大統領令あるいは大統領権限でいろいろなものをやっていく。議会も納得してないし、予算もつかないし、張子の虎ばかり。だが、できること、できないことを一気に出すことによって人々が猫じゃらしのようにこっちに行ったりあっちに行ったり。メディアはこういう時に『いや、これおかしいでしょう』と議論すべきところだが、あまりにも多いので議論できない。それを狙っている。一次政権時のスティーブ・バノン首席戦略官がメディアをいかにごまかすかと考えた話だ」
トランプ大統領も政権の面々も言葉が強く頭を殴られるかのようなショックを受け、麻痺していくような感覚になる。
この点について前嶋教授は「わざと殴っている。例えば、先日の『コメに700%関税』なども、わざとひどいことを言って日本が動揺する、動揺して他のものが出てくる。話がすり替わることによって、ここで殴ろうとして、人々はそっちの話をしちゃう。肝心なことが山ほど出てくるから、結局猫じゃらしになる。本来もっと野党側が強かったら議会で止めることができる。ただ共和党の方もそんな強くないので議会の方はどちらも動かない。司法・裁判所にもいろんなものが来たらやっぱり遅くなる」と説明した。
先週アメリカを訪れたという前嶋教授。国内については「冷めている部分がある」と説明した。
「やはりアメリカは分断していてで、すごく冷めている部分がある。『トランプがまたとんでもないことをやってる』とやり過ごしているところがある。今アメリカ未曾有の分断・拮抗で南部・中西部はトランプ支持が多いが都市部は民主党支持者だったりする。欧州の人たちから見たら『超絶ファシズムだ。なんで止めないんだ?』と怒ってるように見える」
アメリカ国民、世界は4年間耐えられる?
