安全性・有効性を判断する複数のステップ

治療として認められるまでのステップ
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 本来、有効な治療として認められるためには、基礎的な研究に続いて細胞や動物での実験、人間での安全性を確認する試験、有効性を判断する試験、という複数のステップをクリアする必要がある。

 鍋倉氏はそうしたステップを経ないまま、人に対して治療として行われている現状を問題視している。

「このステップは実際に、多くの研究者の努力によって、5年10年20年という単位でかかるものだ。期待感だけで、目新しく着目されている細胞ということだけで、こういったことが市中で行われているという現状については非常に強い危惧を覚える」

 一方、がん予防として「NK細胞療法」を実施しているクリニックの中には、「医学的エビデンス(根拠)は確立されていない」としながらも、「理論的にはがんの発症を防ぐ効果が期待できる」などと説明をしているところもある。

 こうした説明を、患者はどう受け止めたらよいのか?

「理論的には効果が期待できるためのもとになるものが科学的なエビデンスなので、理論的には効果が期待できる、その根拠を示さないかぎり、『理論的には効果が期待はできない』というのが科学者としての意見だ」(鍋倉氏)
(『ABEMAヒルズ』より)

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【映像】「気持ち悪い」 小学校隣接の公園で性的ビデオ撮影
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