去年10月、都内のクリニックで「がんの予防になる」とする再生医療を受けた患者が敗血症になり入院した。患者が受けたのは「NK細胞療法」と呼ばれるもので、患者から採血した免疫細胞のNK細胞を培養し、再び体内に戻す方法だ。
その培養過程で細菌が混入した可能性が指摘されており、厚生労働省はクリニックを運営する輝鳳会に改善が確認されるまで当該行為の停止を命じた上で今後の安全確保の対応についても検討している。
この「NK細胞療法」は、今、がん治療や予防目的として美容外科や皮膚科などを含む多くのクリニックで実施されている。ただし、がん治療として効果や安全性が確立された「標準治療」とは異なる「自由診療」であり、全額自己負担となる。
また、うたわれている効果についても疑問の声が上がっている。
エビデンスを持ったものと“そうでないもの”
NK細胞についての研究を行う愛知県がんセンターの鍋倉宰氏(腫瘍免疫応答研究分野長)は、「科学者の我々は、研究成果をもっと社会に還元して啓蒙していかなければいけない。世の中で行われている研究のうち、きちんとしたエビデンスを持ったものとそうでないものを明確に理解してもらう必要があると思う」とコメントする。
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