■10年活動した元占い師が気づいた“違和感” 使われる“手法”とは?

 悪質な占いの被害防止活動をしている元占い師・まねまねさんは、自身の経験をもとに“違和感”に気づいた出来事を語る。「最初の5年くらいは、生年月日の統計学だと思っていたが、ある“凡ミス”を起こした。AさんとBさんの鑑定結果を取り違えて、それぞれ逆の相手に渡してしまったのだが、2人とも『当たっている』と。祖母が占い師だった影響もあり、30年近く占いを信じていたが、その一言で“おや?”と思った。そこから心理学や、いわゆる“コールドリーディング”の存在を知った」。

元占い師のまねまねさん
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 コールドリーディングの手法としては、「虹色の戦略」「バーナム効果」「シュガーランプ」「ジェイクイーズ・ステートメント」「選択肢のない選択(柿の木理論)」「隣の芝生」などが存在する。

 そこで、番組ADの恋愛相談を受ける形で、にまねまねさんがコールドリーディングを実践した。開始早々、スタッフがどういう人がタイプかを言い当てた。「最初に『あなたは真面目で言葉遣いが丁寧な男性が好きだ』と言ったが、これはおそらくほとんどの女性に当てはまる。表情を読んで、あからさまに変わったら、次の選択肢を変える」。

 続いて、「嫌な男性にだまされたことがありますよね?」と、スタッフの恋愛遍歴も言い当てた。これもテクニックの1つだという。「“柿の木理論”といって、『はい』『いいえ』どちらの答えでも対応できる質問。『親の介護に困ってないか』『ケガしてないか』などあらゆる質問に使えて、『はい』と言えばストレートに進め、『いいえ』であれば『その星に出ていたから(避けられて)よかった』と返す。基本的には、相談者が自分の頭の中で当たりに行っている」と明かした。

 相談者については、「しゃべってくれる人のほうが、情報が手に入るから楽だ。『この感じだと男性関係が良くない』など、頭の中のテンプレートに合わせられる」とした上で、「占いのメソッドは、拡大解釈の“バーナム効果”や、『下手な鉄砲も数打ちゃ当たる』のような“ジーン・ディクソン効果”をもとに作られている」と説明する。

■“良い占い師・悪い占い師”の境界線は
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