28日、参議院予算委員会において、立憲民主党の水岡俊一議員が「旧統一教会の被害者の財産を守る手立て」についてあべ文科大臣と石破総理に質問した。
【映像】「ご着席ください。けっこうです」鶴保委員長が“匙を投げた”瞬間
水岡議員は「2023年12月、被害者救済法案を審議した時に、解散前に関連団体へ資金が移動される、あるいは信者の方の口座にお金が移動してしまう、そういったことがあると被害者を救うことができないと散々指摘してきた。包括的な財産保全が必要だとあれほど議論し、そしてそれは『3年を待たずに進める』とお答えになったが、今どんな状況か?」と質問。
これに対しあべ大臣は「これまでに提出された財産書類をその都度十分に精査をしているが、現状において特別指定宗教法人の要件を満たすと認められる状況は確認されていない。仮に、旧統一教会が海外に現金を移動させることなどによって保有財産を減少させていること等が確認でき、財産の隠匿また散逸のおそれが認められる場合には、特別指定宗教法人として指定することができる」と回答。
石破総理は「財産の隠匿・散逸の恐れをどう考えるかだ。現時点において、当該団体が財産を隠匿し散逸をさせると、そういう恐れがあると確認できていないが、そうした状況が認められる場合、特別指定宗教法人として指定をすると、被害者が法人の財産の動向を随時適切に把握できることを通じて民事保全の対応を円滑に行えるようにしたい」と答えた。
水岡議員は少々呆れながら「『将来検討されるべき保全のあり方については具体的に今お答えできない』という議論が政府からあった。じゃあ“将来”とはいつのことなのか? 実際には解散命令が決定されたという事実が出てきた。もういよいよそれに向けていろいろな人が動いてくる可能性がある。今こそ明確な財産保全の法度を明らかにすべきでは」と追及した。
あべ大臣は資料を見ながら「特例法に基づき、旧統一教会に対し四半期ごとの財産種類の提出を求め、その内容を確認しており、仮に旧統一教会が海外に現金を移動させることなどによって保有財産を減少させていること等が確認でき、財産の隠匿また散逸の恐れが認められる場合には、特別指定宗教法人として指定することができる。そして、特別指定宗教法人として指定することで、被害者が法人の財産状況を随時適切に把握することを通じて民事保全などの対応を行うことにより、財産の隠匿・散逸を防止することが期待される。文部科学省としては、引き続き、特例法等に基づき旧統一教会についての情報収集に努め、適切に対応する」と先ほどの答弁と重複する回答を述べた。
水岡議員は「今の話は、法案審議の時点で既に出てきていた話ではないか? その時に『3年を待たずに(包括的な財産保全の方法の)検討に入る』とおっしゃった。我々はそれでは不十分だと思ったが、明らかにできないということで進んできた。今説明いただいたことはもう分かっていたことだ。検討に入っている内容を教えていただきたい」と述べた。
再度問われる形になったあべ大臣は「令和5年の特定不法行為と被害者特例法の法案審議において、宗教法人の財産保全を包括的に求めることができる制度とすることは、当該宗教法人の宗教活動を直接的に制約することとなり、憲法が保障する宗教的活動を行う自由への影響の観点から慎重な検討が必要といった指摘が与党議員などからなされ…」とここまで述べたあたりから、国会はざわざわとしだし、首をかしげる議員も目についた。
あべ大臣は続けて「最終的に、包括的に財産保全を求めることまではしない形で、立憲民主党、日本維新の会、共産党を含むほぼ全ての党の賛成も得て特例法が成立されたものと承知している。この指定宗教法人の指定の効果として、不動産の処分等について、所管庁への事前通知(1カ月前)、四半期前の財務諸表の提出の義務を課され、所管庁における財産の処分及び管理の状況の把握を強化するとともに…」と、ここまで述べると、聞いていた水岡議員は「もういい」とばかりに手を振った。
だが、あべ大臣は継続して「財産の隠匿・散逸の抑止効果が期待されるところだ。現にこれまで、旧統一教会から提出された財産書類から、現預金や固定資産の状況等項目を精査し…」ここまで続くと、国会内の“抗議”を受けた鶴保委員長から促され、あべ大臣は「はい、簡潔にしっかり説明させていただく。財産の内容及び額や処分及び管理の状況等確認を行った後、結果、旧統一教会について、財産の隠匿、散逸、恐れは確認されていない…」と、ここまで伸びると痺れを切らした鶴保委員長が「一旦ご着席ください。はい、けっこうです」と促した。
この一連の混乱の後、水岡議員は「大臣、なにか意図があるのか? 私の質問時間を削ろうと、そういう意図に思える」と述べると「そうだ!」と国会に賛同の声が飛び交った。
水岡議員は続けて「私たちは、なんとか被害者の方々を救いたいという思いで一緒にやってきた。そういう中にあって解散命令が決定され、具体的に被害者の財産を守る手立てをみんなで考えようと言っている。それが前に進まないのであれば、そういうことに反対をする人たちがいるんですかと思いたくなる。一緒に被害者の方々を守るのではないのか? だから、こういうことを聞く気はなかったが、石破内閣の中で、大臣、副大臣、政務官、まだ接点がある方がいるのではないか? そういうことを、国民の皆さんは気になってくる」と述べた。
石破総理は「過去に接点があったと認められる者については、既に一切の関係を絶っている。我が党として、それはたとえ軽微なものであったとしても、『一切』と言っているからには、祝電を打つこともダメであり、これから先、一切関係を断ついうことは徹底している。仮にそういうことがあった場合、厳正な処分をしていかなければならない。当然のことだと思っている」と答えた。
(ABEMA NEWS)
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