K-1甲子園2018 -60kg級のアマチュア優勝実績を持つ山浦と、名門「POWER OF DREAM」に所属する橋本は、粘り強さと正確な打撃を武器にするファイター。両者ともに兄弟でKrushの舞台に立っているという共通点もある。
試合序盤、橋本はプッシングと細かいパンチのコンビネーションでペースを握るが、1ラウンド終盤には近距離の打ち合いで山浦が鋭いフックをヒットさせ、橋本からダウンを奪取。しかし橋本はゴングに救われ、なんとか第1ラウンドを乗り切った。
第2ラウンドに入ると、橋本が反撃を開始。至近距離での打ち合いの中、ショートの右で山浦をなぎ倒すようにダウンを奪い返す。再開直後からはカーフキックを連発し、ガードを固めて耐える山浦をパンチでロープ際に追い込みながら、さらに執拗にカーフを蹴り上げる。
ついに耐えきれず山浦は足元から崩れ落ち、2度目のダウン。足が棒のように動かなくなった山浦に、ファンからは「足が…」「ロー効いた」「カーフ貰いすぎだろ」「棒立ちやん」と悲鳴にも似た声が上がる。
さらに再開後、追撃のカーフキックで、橋本は追加のダウンを奪う。立ち上がった山浦だったが、足をかばうような動きが見られ、ダメージの蓄積は明らかだ。
試合再開後、橋本がじわじわと間合いを詰め、再び左足を狙って低く鋭いカーフキックを打ち込む。軸足が支えきれなくなった山浦は、足が“ぐにゃり”と折れるように崩れ落ち、ついに立ち上がることができず、レフェリーが抱きかかえるようにして試合をストップ。実況・野沢春日アナウンサーは「もうダメだ!」と絶叫した。
序盤にダウンを奪われ、劣勢からのスタートだった橋本。しかし、カウンターで“お返し”の一撃を打ち込んだ後は、執拗なカーフ攻撃で相手の足を削り、刈り取り、見事な逆転TKO勝利を手にした。
解説を務めた石川直生は、「ダウンしてから次のラウンドで逆転KO。そんな経験は本当はしない方がいいんだけど(笑)。キャリアにとっては大きな財産になります」と語った。一方、「山浦選手も良かったので、橋本選手のKO勝利は価値が高い」と、敗れた山浦の試合内容にも賛辞を送った。
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