根本的な部分にも課題が…

日本ラクロス協会 安西渉理事/CSO
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 続いての課題は、意外にも根本的な部分に関することだ。

「『日本もメダルを取れる』と報道が出たことはすごく喜ばしいこと。一方で、実は出場チーム数・国数・出場要件、つまり出場チームを決めるためのプロセスも決定されていない状況。現時点ではまだ(日本の出場が)確定していない状況」

 最近の世界大会での好成績から、結果を期待する先走り的な報道が散見されるも、実はまだ「出場が確定する前の段階」なのだ。

 そして、初めて尽くしで「完全な手探りの挑戦」という事実もある。

「オリンピック規模のようなマルチスポーツの大会に出るということが、世界的にもラクロスでは初めて。日本ラクロス協会も全く想像がつかない。選手に最高の環境を用意するなら、どういう手段があり得るのか、基本的にはJOCの皆さんとディスカッションして、知見を持っている競技団体の話とかも参考にしながら、手探りでやっていく」

 歴史的な一歩を踏み出そうとしている今、淡々と課題を明確にしながら、五輪の先のことも見据えている。

「オリンピックは非常にいろんなエネルギーと注目が集まるスポーツ大会なので、例えばラクロスを始めたい人が急に増えるかもしれないし、そういうことに対して一過性で終わるんじゃなくて、ちゃんと吸収しきるような、そういうインフラを整えていくってことが大事」

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