アスリートが引退してから新たな道に進む、セカンドキャリアに対し、現役中から競技と仕事の2つの道を進む「デュアルキャリア」。現在、通信インフラ業界で広報職に就きながら、ラクロス女子日本代表候補としても活躍する井上果歩選手に、その実態について話を聞いた。
大学卒業後、今の会社に入社した井上選手。ラクロスの社会人チームに所属しながら、月曜日から金曜日の平日5日間の勤務で、1カ月の間で決められた労働時間を満たしていれば、1日ごとの勤務時間は自分でコントロールできるという。
2つのキャリアを同時に歩む上で大変なことは、「時間の管理がものすごく大変だと感じている。仕事をしている時間と、競技に使いたい時間。そこのバランスや、時期によってはトレーニングの時間を多くもうけたいので、その調整がものすごく大切」と明かす。
こうした中でも、「ラクロスを言い訳にしないこと」を心がけている井上選手だが、スポーツで培った経験が仕事にいきるなどの相乗効果もあるという。「スポーツは課題がつきものだと思っている。自分自身やチームの課題に向き合って解決していく力は、スポーツを通して身につけている力だと思うので、そういった部分はすごく仕事の部分にも活きていると感じる」。
逆に仕事で培った経験がラクロスでいきる場面もあるといい、「課題に対して、ロジカルに考えなきゃいけない部分や、社会人経験がある方々と仕事する中で、こういう考えで課題を解決できるんだという部分、自分たちが思わなかったこともすごく教えていただいている。そういう部分が、チームスポーツをする上で活きている」と話す。
井上選手は、今後について、「仕事の部分も、より忙しくなる年齢に差し掛かってくると思っていて、大変なことは多いが、何かをしているから仕事が中途半端になるというわけではないので、必ず自分の中でやり方を見つけて、両方が、自分が納得する形でロスを迎えていけるように努力していきたい」と述べた。
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