人型ロボットがビームを撃ち合う近未来の戦場に突如として投げ込まれた鉄球、それが“ガンダムハンマー”である。アニメ「機動戦士ガンダム」第5話に登場したこの武器は、初めて見るとあまりの“原始的な暴力”に思わず笑ってしまうかもしれない。しかし、この鉄球こそが、物語を知れば知るほど異彩を放ち、むしろ現実味を帯びてくる存在なのだ。
【映像】ザクを一撃で破壊するガンダムハンマー(15分40秒ごろ~)
ホワイトベースが大気圏に突入する最中、シャア・アズナブル(CV:池田秀一)が率いるジオン公国軍の部隊がまさかの攻撃を仕掛けてくる。艦内が緊張に包まれる中、アムロ・レイ(CV:古谷徹)は単機で出撃し、迫り来る4機のザクと対峙する。
しかし、手持ちのバズーカはすぐさま弾切れとなってしまった。アムロはセイラ・マスに「ビームライフル」の補給を要請するが、戦闘中の射出には対応できず、代わりに提案されたのが、鎖付きの鉄球――“ガンダムハンマー”だった。「それでいいです!」とアムロは即答。選択肢のなさを物語る一言でありながら、その場で出せるものなら何でもいいという焦燥感と潔さが入り混じった、隠れた名台詞だった。
射出されたガンダムハンマーを受け取ろうとした瞬間、シャアがアムロをミサイルで狙撃。ミサイルはガンダムハンマーを直撃したが、驚くほどの頑丈さで破損もせず、アムロはこのピンチを切り抜ける。
そして、アムロはシャアともう1機のザクに対し、ビームライフルでもビームサーベルでもない、いかにもアナログなこの鉄球で挑んだ。視聴者の中には驚きを超えて思わず笑ってしまった人もいたかもしれない。しかし、それは笑いごとでは終わらなかった。
ガンダムハンマーが見せつけた威力は






