■「女性は20、30代で椅子取りゲームのような競争」「40、50代になったら自動的に脱落」
年代別の男性・女性の番組全般出演者(アナウンサー、キャスター、リポーター)の調査によると、女性は20代、30代が多く、40代以上になると大きく減少。一方で、男性は40代が最も多く、人数では女性と逆転、50代、60代と年齢が上がるにつれて男性への偏りが大きくなる。50代では男性が女性の3.4倍、60代では15.5倍にも上っているそうだ。(NHK放送文化研究所「調査報告 2023年度 テレビ番組におけるダイバーシティー」)
この調査結果に対し、石田氏は「多くの人の直感に合致するものだと思う」とした上で、「若い女性が多く出演し、年齢が上がるにつれて出演機会が減る、それは問題だねとだけで捉えてはいけないところが重要なところだと思う」との見方を示す。
「フジテレビの件では、『キャスティング権を持つ人の言うことは聞かないといけない』と被害者が感じてしまったことが背景にある。なんでそう感じてしまうかというと、女性は20代、30代で椅子取りゲームのような競争がすごく激しい。そうすると、そのゲームのルールを采配してる人たちの目を伺わないといけない。しかも、40代、50代になったら自動的に脱落する構造になっている。この構造自体を変えていかないと、全く解決されない」(石田氏)
さらに日本社会全体に話を広げ、「女性は30代、40代になると子育てや家事労働を担わされるという現実がある。出世したいと思うと、『24時間365日働けるか?』という過酷なゲームに参加しなければならない。このゲームをした人だけが残っているが、非常に厳しい。こういう社会的背景やキャスティング権を持つ人の強さや、いろんなものが絡み合う事によって、このような調査結果が出ていることを強く認識する必要がある」と述べた。
また、若い女性は機会を得ているじゃないかという反論がある事についても考える必要があるとして、「女性側も若いことが資本だと社会から思わされてしまっていること。年長の司会者がいて、そこにサポートする若い女性アナウンサー。これが価値だと思ってしまい、若いうちに活躍して、そのあとは結婚して育児に従事する。そういったキャリアのモデルしか描けなくなってしまってる。これは利益を得ているように見えて、自分のキャリアを狭めているという意味ではこの女性達もある種の被害者である。これをテレビが再生産し続けてることが非常に問題だ」と主張。
こういった構造に対し、石田氏は、「年長の女性もそれを正当化せざるを得ない状況を生んでいるかもしれない。これは誰が悪いのではなく、この構造がどんどん再生産されている事に誰かが正面切っておかしいと言ってないことが、非常に問題だと思う」とした。
(『ABEMA ヒルズ』より)
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