■生成AIによって人々が「ボット化」?

岸谷蘭丸氏
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 AIの開発競争は、世界中で非常に激しくなっている。どのAIも、基本的には大量のデータを学習し、そこから回答を導き出すことに変わりはない。生き物に例えれば、どのデータを“食べる”かによって、AIはその方向に成長する。生成AIに詳しい情報通信コンサル「企」代表のクロサカタツヤ氏は「大前提として、そもそも生成AIには、まだまだデータが足りない」とし、Grokをファクトチェックする機能として使う上での不安な部分としては、言語の問題を指摘する。「生成AIや自動翻訳は、基本的に英語をベースに作られている世界。Grokが日本語をそのまま学習しているのか、英語に一度翻訳してから学習しているのか、実はわからない」と解説。

 仮に日本語で取得したものを英語に翻訳、回答を再度、日本語に翻訳し直してからファクトとして回答している場合「キャッチボールでも、パスでも、いくつか入ったら必ずエラーが出やすくなる。学習データの話、翻訳言語の違いの問題など、まだまだ慎重に見なければいけないのは確か」と、高性能と言われるAIによるファクトチェックであったとしても、まだまだエラーが十分に存在するという認識の必要性を説いた。

■岸谷蘭丸氏が警鐘
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