■生成AIで広がる格差「新しいツールを使いこなす人の割合は、どんどん減る」
この意見に対して、近畿大学情報学研究所所長の夏野剛氏は「文明の進化に伴って出てくる技術、新しいツールを使いこなす人の割合は、どんどん減っていく」と語る。「一次産業で農機具が出てきた時はみんなが使えたが、AIを適切に使える人、プロンプトがちゃんと言える人はみんなではないから難しい。民主主義とか平等という概念をどう運用するか、人間は問われていく」と、格差が出る現実と、向き合い方の難しさを伝えた。
またクロサカ氏は「生成AIは、人間が普段使っている自然言語、ナチュラルな言葉でいろいろ命令が出せることはすごい。ただ我々は、言葉なんて簡単に使えると思っているが、言葉で戦争が起きてしまうくらいに難しい」とし、その上でAIを使いこなせる人と、そうでない人の格差について踏み込んだ。「生成AIから手に入れよう、あるいは出てきた結果に対して自分が検証しようという能力を持っている人は、ものすごく優秀なスタッフや秘書を何百人も周りに抱えたような仕事の仕方ができるようになる。そういう能力を持っていない方からすると、言われたことを鵜呑みにしてしまい、生産性とかアウトプットの質が変わってくるので、従来になかったぐらい差が大きくなる。これは生成AI全般が、ものすごく格差を開くマシーンになる可能性が高いというか、今そうなりかけている。人間社会としてこれをどう受け止めるかの警戒感が必要だ」。
(『ABEMA Prime』より)


