■いろはちゃんの闘病生活
現実を受け止めきれないまま、闘病生活が始まった。奇跡を願い、治療を続ける毎日。しかし、病気の進行を止めることは難しく、次第に右半身の麻痺が始まった。それでも、毎日左手で勉強を続け、料理も手伝っていた、いろはちゃん。元気だった生活に戻れるよう、懸命に努力していた。
しかし、日に日に悪化する症状に、小川さんの心境にも変化があったという。「この子はもう亡くなっていくんだろうなって思った。だんだん悪くなっていく娘を見ていく中で、覚悟が決まっていく」。
助からないのだとしたら、せめて後悔はしたくない。小川さんはより一層家族との時間を大切にし、一緒にいれる幸せを噛み締めるようになった。そして、旅行にも行った。
「色々な話をした。今までの学校のこと、スケートに対して思ってること。ママに怒られたときは心の中でクソババアって思ってるとか(笑)。自分の想いや彼女の想いをちゃんと伝えられたし、聞いてあげられた時間だった」(小川さん)
そうした中、別れの時は刻一刻と近づき、「正直もう(いろはちゃんの)痛みもすごい。最終的に、楽にしてあげたいと思った。本人にも『頑張らなくていい』って言った。もう頑張らなくていいって…そうしたら本人は、頷いていた」。
■余命宣告から半年後…そして現在
