ドレンに悪気はなかったし、指揮系統としては当然の確認だったのだろう。だが、シャアにとって自分の力量を疑われるようなセリフは、少し堪えるものがあったのかもしれない。
そもそもこの時点でのシャアは、まだザビ家への復讐も達成しておらず、ホワイトベースの撃破にも幾度として失敗している。自信の裏側に潜む焦りや苛立ちが、「通信ブチ切り」というちょっとした意趣返しに表れてしまった可能性もある。
ガンダムシリーズでも屈指の名将とされるシャアだが、そのプライドの高さと繊細さは、こういった小さなやり取りにもにじみ出ている。だからこそ彼は魅力的で、どこか“人間らしさ”を感じさせるのだ。
後輩からの一言にちょっとムッとしてしまった――その程度のことだとしても、「申し訳ありま……」プチュン!のやり取りは、シャアのキャラクターを語るうえで忘れがたいワンシーンだ。
アニメ「機動戦士ガンダム」は1979年4月から1980年1月まで放送されたサンライズ制作のロボットアニメで、富野由悠季監督が手掛けた作品。“リアルロボットアニメ”という新ジャンルを開拓し、以後のロボットアニメに多大な影響を与えた。放送当時の視聴率は振るわなかったが、再放送や劇場版の公開で人気が急上昇すると、「ガンプラ」ブームも生まれた。以降のガンダムシリーズや、スピンオフなどの派生作品も多数制作され、現在も高い人気を誇る。
(C)創通・サンライズ
日本語
- 日本語
- English






