中国の最高権力者である習近平国家主席とは、一体どういった人物なのか。2013年の就任以降、国内すべての分野を牛耳る絶対的な最高権力者となり、2018年には憲法を改正して、国家主席の任期制限を撤廃した。現在71歳で、さらにあと10年以上、習近平体制が続く可能性がある。
「謎多き指導者」とも言われるが、国際政治学者の舛添要一氏は「汚職をしたという話を聞かない。毛沢東氏に憧れているだけでなく、恨みをもっている鄧小平氏の政策でも採用する柔軟性を持っている。その周りも、日本と違って優秀な人たちが囲んでいる」と解説する。
一方で、東京大学大学院の阿古智子教授は「弱いところがあり、自信が持てないところもあって。だから、その裏返しで『強く見せなければ』という焦りがあり、プロパガンダに頼ってしまう」と指摘する。
舛添氏によると、「習氏は鄧小平氏(1978年〜1989年までの中国最高指導者)が嫌いだ。習氏の父は副首相だったが、鄧氏にやられた。父親が改革開放の旗手だったが、鄧氏に全部盗まれて失脚させられた」というが、「我々も習氏の前では、名前を出さないように気をつかっていたが、去年私が行ったら、向こうから鄧氏の名前を出してきた」と驚く。「習氏には“習近平思想”と“毛沢東思想”と、もうひとつ“鄧小平思想”が入っている。その3つをちゃんとやって、バランスが取れているから、ここまで伸びてきた」。
習近平氏とはどんな人?性格は?
