クイズ形式で学べるシミュレーション

クイズ形式で学べるシミュレーション
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 このシミュレーションでは、身近な状況で災害が起きた場合の行動をクイズ形式で学ぶと共に、スマートフォンのアプリでどんな情報を確認できるのかを体験することができる。防災アプリの使い方だけでなく、LINEの「安否確認」機能の使い方も学べる内容となっている。

 このシミュレーションは2021年のスタートから毎年3月と9月に、地震編と水害編の2つが毎年リニューアルしながら公開されている。

「弊社のアンケートで、災害に関する防災行動をしたいという意識はあるが、実際に行動に移せていないというユーザーの声があった。どうすればよいのかというところで、気軽に誰でも体験しやすいシミュレーションゲームという形にした」(LINEヤフー・大藤氏)

 このシミュレーションで体験できる“災害情報を通知するアプリ”が「Yahoo! 防災速報」である。このアプリを手掛けている堤浩一朗氏にも話を聞いた。

「災害時にいろいろな防災・気象情報や、自治体からの情報や警察からの防犯情報などが受け取れる。災害とか困ったときに助けになるようなアプリだと思っている」(LINEヤフー・堤浩一朗氏、以下同)

 このアプリには、自治体などからの情報のほかにも、ユーザーから寄せられた情報を載せた「災害マップ」という機能もある。災害時はデマの拡散が問題になるが、その対策はどうなっているのか。

「現在地にいないと投稿ができないようになっている。例えば、東京から能登の『災害が起きています』という情報は投稿できない。また最終的には『いたずらの投稿だな』とわかるものは目視でチェックしている」

 Yahoo! JAPANが防災に関する取り組みを始めたきっかけは、約20年前の新潟県中越地震だった。

「(当時)インターネットはそれなりに普及し始めていたが、災害情報を伝えるメディアとして認知されていなかった。テレビなどで放送されているのを会社の人間が見て『インターネットでもやるべきだ』というところで始めたと聞いている」

 そうしたテレビ・ラジオなど既存のマスメディアとインターネットでは、災害情報の発信にはどういった違いがあるのだろうか。

「災害ごとで必要となる情報は違ってきたりする。(2024年の)能登半島地震のときは災害マップに、給水所やお風呂の情報をたくさん載せた。こうしたフレキシブルな対応ができるのはインターネットやスマートフォンのアプリの強みかなと」

大藤氏が語る今後の課題
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