4月15日より順次放送中のアニメ「機動戦士Gundam GQuuuuuuX(ジークアクス)」第2話には、ガンダムファンの記憶のスイッチを押す名場面がある。シャア・アズナブル(CV:新祐樹)が白いモビルスーツを発見し、コクピットを覗き込んだそのときだった。
「やはり、動くか」――このセリフを聞いて違和感を覚えた人は、きっと初代「機動戦士ガンダム」を見てきたファンだろう。というのも、これはまさにアムロ・レイが初めてガンダムに乗り込んだときの名ゼリフ、「こいつ……動くぞ!」のポジションなのだ。
しかし今回、その言葉を発したのはシャアだった。しかも、語調はシャアそのもので、妙に落ち着いている。感嘆ではなく、確信に近いトーンの「やはり」がまた“らしさ”を感じさせる。そしてこのシャアが、アムロのセリフを“自分のもの”として発するという構図が、視聴者の記憶の位相とシンクロする。
もちろん、本作でアムロが「存在していない」と明言されたわけではない。父であるテム・レイの存在が描かれているため、少なくとも「存在している可能性」がある。だが、ガンダムに最初に乗るのがアムロではないという構造そのものがアニメ「機動戦士ガンダム」世代にとっては衝撃的なのだ。
しかもその乗り込み方が…