また、初代ガンダムで「人の心を覗きすぎるのは、己の身を滅ぼすことになる」とギレン総帥が発した忠告も、「機動戦士Gundam GQuuuuuuX」ではシャアが引き受けるかのように「人の心を覗きすぎるのはよくない。我々の間には隠し事などなくなるのだからな」と言い換えていた。
言葉そのものは似ていても、そこに込められた立場や感情の重みはまったく異なる。ララァ・スンが描かれていないこの世界で、シャリアと心を通わせるシャア。命令や立場を超えて、二人が向き合っているというだけで、強く印象に残るやりとりになっていた。
SNS上では「激重感情爆誕の瞬間である」「シャリアとシャアがワイン片手に話すシーンだけ急に湿度高くなるんよな」「本当、シャアがシャリアの運命を変えたのは初代を見てると感慨深いものがある。。」といった声も見られ、二人のやりとりを通して、過去とのつながりや重なりに思いを馳せる視聴者も多かった。
「機動戦士ガンダム」では交わらなかった二人が、言葉を交わし、手を取り合った。それだけの場面がこれほど心を揺さぶるものになるとは、誰が予想していただろうか。
「機動戦士Gundam GQuuuuuuX」は、1979年から続く「機動戦士ガンダム」シリーズの最新作。宇宙に浮かぶスペースコロニーで平穏に暮らす女子高校生のアマテ・ユズリハが、少女ニャアンとの出会いにより、非合法なモビルスーツ決闘競技《クランバトル》に巻き込まれていく物語だ。「ヱヴァンゲリヲン新劇場版」シリーズなど手がけるスタジオカラーとサンライズの共同制作が話題を呼び、テレビシリーズに先駆けて今年1月に公開された劇場版は、興行収入30億円を超える大ヒットを記録した。
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