■大人の食物アレルギーの課題

エピペン
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 けいたさんは、アナフィラキシーの症状が表れた際、「エピペンを太ももに打つ」という。「エピペン」とは、医師の治療を受けるまでの間、症状の進行を一時的に緩和しショックを防ぐための補助治療剤(自己投与が可能なアドレナリン製剤)で、「アレルギーが重めだったので、小学生ぐらいから常に持ち歩いてる」。

 今までに使用した回数は、「2回あって、1回はお母さんに打ってもらって、2回目は自分で打った」。周りには「知っててもらいたいから、アレルギーがあることも、エビペンを持ち歩いてることも伝えているが、(エビペンの)使い方までは言ってない」と明かした。

 アナフィラキシーは周りの人に分かるのか。海老澤氏は「食物の場合だと、皮膚の症状が結構多く出る。あとは息がしづらい、咳き込みがひどい、強い腹痛が来たとか、そういうものの組み合わせで判断する」。周りの人ができることは、「エビペンを持ち歩いていて、自分で打てないような状況だったら、周りの人が打ってあげることはできる」と答えた。

 大人の食物アレルギーの課題については、「専門知識を持つ医師が少ない」「何科を受診していいか分からない」ことから、海老澤氏は「なかなか治らない。今、経口免疫療法というアプローチや、アメリカだと抗体製剤の治療もできる。抗体製剤等の治療のオプションも日本に入ってきたらいいなと思っている」と話す。

 また、「日本の子どもの食物アレルギーの診療のレベルは世界で1番」だが、「移行期・成人期の食物アレルギーの診療体制は非常に脆弱で患者さんが行くところがない状態を早く改善したい」と述べた。

(『ABEMA Prime』より)

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【映像】「以前は食べれていたものが...」大人の食物アレルギーの実態は?当事者に聞く
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