「平日にチャペルを活用」「7万円台の結婚式」式場の新たなサービス
今回、ニュース番組『ABEMAヒルズ』が取材したノバレーゼでは2025年4月から、平日など空いている時間帯のチャペルを活用し、結婚していないカップルを対象にした音楽イベント(恋人たちの聖なる音楽堂)を始めた。
「結婚式場って普段入ることはないが、入ることでこういうことなんだという体感をしてもらう。平日の部分は、日常でもお越しいただけるような場所としてしっかり稼働して、土日は結婚式をできるように」(ノバレーゼ 取締役執行役員 笹岡知寿子氏)
また、人数や会場を小規模にすることで、7万円台から結婚式があげられるという「小さな結婚式」というサービスも。
「経済的な理由。もう一つは、例えば年齢的な理由や、子どもがいるからと躊躇している人がいるのではないかと考えて、ある意味、結婚式を諦めているカップルに叶えてほしいということでスタートしたのが我々のビジネス」(株式会社レック 勝田誠之氏)
このサービスでは「挙式のみ」や「挙式と会食」など、豊富なプランから自由に組み合わせることが可能とのこと。夫婦それぞれにあわせた多様なニーズに応えていくことも、これからのウェディング業界には求められてくるようだ。
「ブライダル業界にかかわらず、やはり改革は必要かなと思う。今までの結婚式で十分だよねというような形になってくると、列席する側もそもそもつまらないだとか、これであれば数百万払って結婚式をやる意味はないと感じてしまわれる可能性は高い。今までに甘えることなく改革を一つずつしていくというのは重要なポイント」(ブライダル産業新聞・権藤デスク)
このブライダル業界の現状に、ノンフィクションライターの石戸諭氏は次のように述べる。
「実際のところ新型コロナは多くの業界に劇的な変化をもたらした。その一つがブライダル業界。僕もかつて取材をしたが出会いの場が減っていき、婚姻そのものが大きく減ったのがコロナ禍の象徴的な変化だ。さらに、少なくとも僕らの世代ぐらいまでだと、なんとなく結婚式はやるものだと思っていたが、コロナ禍で人と人が集まるというのはリスキーな行為であるという考えも広まった。延期するにしてもいつ緊急事態宣言や流行の波が来るのかわからなくなったカップルもいるだろう。社会の変化を受けて『そこまでお金をかけて結婚式をやる意味ってあるの?』と存在意義が問われてしまった、ということではないか」
「データを見るとそもそも未婚層が増えていて、もう少し年を重ねてから結婚してみようという人たちも増えている。若くして結婚が当たり前ではなくなったこと自体は、決してネガティブな変化ではないと思う。今までは『結婚して一人前』的なある種の同調圧力、社会の目があっての結婚もあっただろう。それが衰退して、結婚しなくても生きていけますよということにはなりつつある。とはいえ、結婚を選ぶ人はいる。彼らのニーズに応えていくことが業界の課題になっている」
(『ABEMAヒルズ』より)
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